添い寝リフレで、年下擬似彼女と甘々密着 (Page 2)

「おにいさん、おっきいね~~」

 布団に潜り込むや否や、右腕をさするように撫でられて、どきりとした。
 思ったより距離が近い。
 たぶん、彼女が布団の中央をがっつり占拠しているのもあるだろう。

「ちゃんとお出迎えできなかったお詫びに、5分経ってからアラームセットするね?」

 枕もとの少し上に、キッチンタイマーのような小型のデジタル時計が置かれている。

「30分?1時間?」

と聞かれたので

「1時間だ」

と答えた。
 ピピ、ピと鳴る電子音とともにタイマーが1時間にセットされる。
 5分追加してもうスタートすればいいのに、と思ったが細かい男だと言われるのも面倒なので黙っておいた。

「ふう。これでよし、っと」

 そういう彼女は誇らしげな笑みを浮かべており、まるで一仕事やりきったかのような雰囲気だった。
 単純に子供っぽいのかもしれない。少なくとも俺よりは若いだろうしな。

「……というかお兄さん、結構カッコよくない?」

 まじまじと見つめていると話し掛けられる。

「お世辞がうまいね」

 誰にでも言ってそうな文句だが、まあ褒められて悪い気はしない。

「こんなとこ来なくても、彼女とか居るんじゃないの~?」

 言われてなるほど、と思った。彼女が居る男はこんなとこに来る必要もないだろう。

「今は居ないよ」

「ふうん、勿体無い」

 他愛も無いことを話しながら思う。なんだか懐かしいな、と。
 こんな風に誰かと並んで寝転びながら話すのなんて何年振りだろうか。
 下手すれば高校の時の修学旅行以来かもしれない。

「じゃあ今日は~~、あたしが彼女やってあげよっか」

 けたけたと笑う彼女。その頬をつまんで引っ張りたくなるほど上から目線だった。 
 接客の態度としてはいかがなものかと思うが、窮屈すぎても話しづらいし案外理に適っているのかもしれない。
 とはいえ瞳は眠そうにとろんとしていて、布団の中から起き上がろうとすらしないが。

「ほらほらぁ、彼女だぞ? どうする? 何してほし?」

 こちらが返す前に次へ次へと言葉を投げかけてくる。
 意外とおしゃべりらしい。

「急に言われてもな……じゃあ、名前。聞いてもいいか」

「ん? 名前はー、まなみ。あ、でもそうだ……彼女だしさ~、マナって呼んでよ」

 俺の彼女というのはもう決定事項のようだった。
 どうせ今だけなんだし、楽しむとするか。

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