異世界@そろそろキミが来る頃だと思ったよ (Page 4)
「よし、撃てっ!!」
1発目で外した砲も狙い直したのだろう。
十数台の発動車からの砲弾は、今度は全弾命中した。
そして強烈な断末魔の叫びを残し、ドラゴンは宙に霧散してしまった。
「や、やった……のか?」
団長が疑問を抱くのも無理はなかった。
ドラゴンが消えた湖の中ほどの中空に、何か異質なものが現れたからだ。
それは、縦横3メートルくらいの大きな観音開きの扉に見えた。
「……ここでお別れだ。今までありがとう」
言って、王女に俺が纏っていたローブを渡す。
下には、この異世界に転移した時の、21世紀のスーツを着ていた。
「え? な、何故ですか……?」
地名であるマグド・メルレイクからドラゴンを意味するドレイクを除く。
するとマグ・メルとなり、ケルト神話で言うところの天国となる。
つまりここでの退治劇は、あの入り口を出すためのセレモニーだったのだ。
「せんせい、待って……」
湖のほとりから扉までは、透明な床板があるようだった。
それで俺は水の上を歩いて扉に向かったのだが。
「ああ、キャッ」
背後から王女の悲鳴が聞こえる。
それを救おうとする団長と教皇の女性の声も。
どうやらこの透明な床板は、俺にしか乗れない様だった。
「お姫様を守って、国を盛り立てるんだぞ」
そう背中で言って、俺は目前の大きな扉を両手で押し開いた――
………………
「ああっ、はあっ」
細かい縦線の入った、紺色ミニスカのスーツ。
そこから延びる黒いストッキングを、指先で引き裂いてみる。
「ちょ、そんな……」
数十分間の愛撫。
簡易な事務用の椅子の上で、女教師然とした女性が嫌がるそぶりを見せる。
しかし決して逃げようとはしない。
『そろそろキミが来る頃だと思ったよ』
俺はそう言われて迎えられた。
湖の上に浮かんだ扉。
それを開けて入ったところは、どう見てもどこかの学校の出入り口だった。
振り返ってみると、通用口らしい簡素なドアと下駄箱があるだけだ。
つまり、職員室に来なさいと言う謎かけなのだと理解して。
俺は、それっぽい部屋を探すことにした。
すぐに見つかった。そこは通用口の隣だったのだ。
それで入ったその部屋は、確かに職員室らしい雑然としたところだった。
しかし、居たのは20代前半くらいの紺色スーツの美人が一人。
「そんな……なんでそんなネチッコイ……」
スーツの上着とブラウスをはだけ、ブラをずらして乳首を右手で擦る。
同時に、ストッキングの楕円状の穴からショーツの恥丘を左手で撫ぜた。
さらに同時に、口で喉元と同じの横辺りを執拗に舐めまわした。
『キミのやることはツマンナイんだよ、ボクの目から見てね』
迎えられた直後から、俺の異世界での振る舞いにクレームをつけられた。
いわく、普通はもっと大暴れするものだとか、スキルを活かすのだとか。
『ここの神はボクっ娘だったのか』
と感心しつつも、スキルなど貰っていなかったと反論した。
すると、実はあったのだと。
それは、モノや概念を擬人化させるというツマラナイものだったらしい。
『ボクを楽しませてくれなきゃ、元の世界に返してあげないよーだ』
というワケで、職員室での女教師プレイになったのだが。
「そりゃアンタ、20年間も童貞だったんだぜ。どれだけ溜まってたと」
情がうつると別れがつらくなる。
だから異世界にいる間、俺は出来るだけ他者との交流を避けたのだ。
レビューを書く