次はあなたがシャッターを (Page 2)
眉間に皴を寄せ、暁紀は迷う。
しばらくそうして迷っていたが、アルコールを言い訳にして、SDカードの中を検めることにした。だが、万が一に備えることは忘れない。
リビングの隅にあるクローゼットからノートパソコンを引っ張り出す。夫が元々使っていたが、仕事のために新調して以来クローゼットの中に押し込まれていたものだ。
古いノートパソコンは起動までに時間がかかる。だが、ログインパスワードを求められる事すらない。古い機種のため、中身のOSも今では殆ど見かけなくなったものだ。
殆ど使ったことすらないカードスロットに、SDカードが入るかは賭けだったが、すんなりと読み込みが始まる。じりじりと進む読み込み状態を知らせるバーの動きに、妙な懐かしさを感じてしまう。
SDカードの内容を表示するフォルダには、画像データが幾つも入っている。少し待つと、アイコンが写真に変化した。
「え……?」
思わず暁紀は声を上げていた。
収められていた写真は、男女が裸で絡み合う姿。明らかに性交を撮影したものである。女性の裸体だけでなく、顔もしっかりと撮影されており、それは紛れもない暁紀だ。
寝室の方を振り返り、暁紀は息を詰めて夫の様子を探る。
動き出すような気配は感じられない。
僅かに息を吐き、彼女は再びノートパソコンの画面を凝視する。
もどかしい思いで写真を確認した。
写真には暁紀と、彼女が結婚前に関係を持っていた男性が写っている。二人揃って裸体と顔を恥ずかしげもなく晒しており、いかにも若気の至りといった雰囲気が画面から伝わってきた。それが他人のものだったら苦笑して終われただろうが、自分自身のものでは顔から血の気が引く。
だが、顔から引いた血の気は暁紀自身が思ってもいなかった場所へ落ちていく。
下腹の奥。
集まった血が、久しく忘れていた疼きをもたらした。
頭は冷静になっているというのに、むず痒いようなそれは抑えよう、気にしないようにしようとするほどに意識を引っ掻く。
暁紀は、再び夫が眠る寝室へと視線を向ける。
寝室からはいびきすら聞こえてこない。ぐっすりと夫は眠っているのだと、暁紀は息を吐いた。
その呼気は熱く湿っている。
そろそろと暁紀の両手が衣服の下へと潜り込む。
一方は乳房をやわやわと揉みしだく。もう一方は整えられた茂みを通り過ぎ、その奥に秘されている割れ目へと辿り着いた。
割れ目はすでにうっすらと愛蜜を滴らせている。
「くぁっ」
陰核を指先で摘まむと思わず声を出してしまった。淫欲に潤んだ瞳で暁紀は寝室を見る。夫が起きてくる気配はないと安心し、彼女は指先を蠢かせる。くちくちと密やかな水音が一人きりの静かなリビングを這う。
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