湯煙に理性は溶けて (Page 3)
しばらく無言で二人は湯船に浸かる。あえて英彰は女性に視線を向けず、浴槽の縁に背中を預けて頭上を仰ぐ。息が荒くなってしまわないように注意しながら、じっくりと股間を見せつける。そんなことで興奮するような性癖はないと思っていたが、股間はますます硬度を増す。
女性が横目で彼の股間を見つめているのが分かる。確認すると視力のせいか目を細めているが、しっかりと見ていた。
「のぼせませんか?」
「えっ!? だ、大丈夫です」
驚いた様子で女性は視線を外す。それを横目に英彰は一旦湯船から立ち上がり、縁へ腰を下ろした。さりげなく彼女の近くへ移動する。
「……気になりますか?」
そっと女性の肩へ手を置く。
熱い。それは温泉のせいだけだろうか。
恥ずかしげに目を伏せながらも、女性の視線は英彰の股間へ注がれている。
彼女の肩へ置いた手を撫でるように首筋へと移動させる。女性が体を震わせる。だが、嫌悪からのものではないようだ。彼女の口からは吐息だけでなく、喘ぐような声が漏れている。
反応に満足し、英彰は手を乳房へと向かわせる。決して大きくはないが、形がよく張りがあった。柔らかな乳房の頂点は固く隆起して、全体を揉みながら掌で転がしてやる。
「んん、はっ。あぅ」
敏感な部分を弄ばれて堪えきれず、ついに声が零れた。
「名前は?」
「茜(あかね)です」
耳元で英彰が訊ねると、とろんした声が返ってくる。
「ちゃんと答えられたね。ご褒美だ」
言って英彰は耳を甘噛みし、茜の乳首を摘まむ。
「ああっ」
「イった?」
体を強張らせ息を荒げる茜に英彰は訊ねるが、答えは返ってこない。
彼は笑って湯船へ再び体を沈める。今度は彼女に体を寄せた。乳房を触っていない手を茜の秘所へ滑り込ませる。お湯とは違う濡れ方をしているのが分かった。割れ目を指でなぞり陰核を嬲ってやると首をのけ反らし、声もなく快感に悶える。
そのままじっくりと愛撫をし、二度目の絶頂を茜が迎えようとした、その寸前で指を止める。物欲しそうな目をされ、英彰は愛撫を再開した。そして、また絶頂の寸前で手を止める。そのまま何度か寸前で愛撫を止めた。
「最後までしてほしい?」
「して。してください」
英彰の肩に頭を乗せ、茜は懇願する。彼女の懇願に英彰はうっすらと笑い、立ち上がった。
「次は、こっちを」
茜の顔に突きつけるように勃起した男根を見せる。
それを見た彼女は躊躇う様子もなく先端に口づけをした。舌を這わせ、先端を吸う。英彰は思わず呻いた。あまりに強い快感が脳髄まで駆け上がってきて、目の前が白んだほどだ。
濡れた髪を撫でると茜は彼を見て微笑んだ。それから口の中へと男根を呑み込む。吸い上げられ、舌でしごかれ、強い射精感が睾丸から登ってくる。彼女は片手で竿をしごき、反対の手は睾丸を優しく撫でた。
「ぐぅっ」
英彰は口で奉仕している茜の頭を掴み、喉の奥へと射精する。自分でも信じられないほどの量が出でいるのが分かった。びくびくと男根が口の中、いや喉の奥で暴れている。
ゆっくりと口の中から男根を引き抜く。唾液が糸を引いている。その唾液をローション代わりに茜の唇に男根を擦りつけただけで硬度が戻った。
一方の茜は焦点の定まらない瞳で、じっと英彰を見つめてる。彼女の濡れた瞳には理性の光は薄くなり、獣めいた情欲だけが淡く灯っていた。
「今度は、わたしですよね」
彼女は浴槽の縁に手をついて腰を突き出した。温泉の臭いに混じる濃い雌の匂いが英彰を興奮させる。
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