ある日突然幽霊に取り憑かれたからエッチな抵抗をしてみた! (Page 2)
覆い被さった布団から少し顔を出し、見慣れた自分の部屋に誰もいない事を確認する。
部屋は暗いままだが、窓から差す月明かりのおかけで、ベッドの上から部屋を見渡すくらいの明るさは確保できる。
ベッドの上、床の上、本棚、机、見える範囲にスマホは無い。
(玄関?外で落としたのかも。)
諦めきれずに俺は自分の部屋に戻ってきてからの行動を思い出す。
必死になって部屋に飛び込んできて布団に飛び込むことしかしていない…な。
ゾクッ!!
また!あの感覚が襲ってくる…舐められるように、品定めをされるかのような誰かの視線。
わからない!上からなのか下からなのか右か左か後ろか…
視線は気になる…でも、視線の元を探る気にはならない!
(何も見ない!何も聞かない!真っすぐ一直線に部屋を出て、玄関のドアを開ける!良し…いける!!)
俺は布団を勢いよく剥ぎ取りベッドから飛び出した!入ってきた時と同じ勢いで、『隙間の開いたドア』に手をかける!
手が止まる…体中から出ていたはずの汗が一瞬にして引いた…。
(なんで…ドアが開いてるんだ…)
閉め忘れた?勢いが良すぎて開いてしまった?
いや…最近のドアはペットや子供の挟まり防止に、少しの隙間なら自然に閉まるようになっている…『手が入る幅の隙間』が開くわけがない。
高速でフル回転している俺の思考回路…暗い隙間の向こう側…少し目線を落とした先に真っ赤な球体が浮かぶ。
その球体が、ぎょろりと動いて俺の顔を見上げる。
「ひっ!!」
真っ赤な球体だと思ったものは、血で真っ赤に充血した眼球だった。
見られていた…この部屋に入ったときからずっと俺は見られていたのだ。
(あ…ああっ!)
あまりの恐怖に俺は声にならない声を上げながらその場にへたり込んでしまう。
俺の指の幅しかないはずの扉の隙間から赤い目をした幽霊が俺の部屋に入ってくる…出てきたその幽霊は女性だった。
普通に出会っていれば可愛いのかもしれない…友達になれたかもしれない…彼女の首が90°真横に曲がってさえいなければ…。
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