幸せな目覚め
大学4年生の悠斗と3年生の未央は、付き合って2年半になる恋人同士だ。悠斗の就職活動のため半年ほどは満足に会うことができずにいたが、悠斗にようやく内定が出たため昨日は久しぶりに2人でゆっくり過ごす時間を持つことができた。お祝いのディナーを未央がご馳走し、熱い夜を過ごしたその翌朝、未央の部屋で未央を抱きしめたまま眠っていた悠人が先に目を覚ました。恋人への愛しさと久しぶりにゆっくりできる週末に悠斗の期待は膨らみ…
なかなかはっきりしない意識でぼんやり目を覚ました悠斗は、鼻腔をくすぐる甘いシャンプーの香りで自分が恋人の未央の家にいることを思い出した。
後ろから彼女の身体を抱くように腕を回した体勢のまま一晩眠っていたようだ。
深く眠っていたのだろうか、カーテンから差し込む陽光は強く、すっかり日が高くなっていることはわかるが、昨夜は一度も目を覚ますことがなかった。
一緒に夜を過ごすときは、いつも彼女が眠るまで横向きの彼女を後ろから抱きしめて横になっているが、自分も朝までその体勢でいたことはほとんどなかった。
それだけ昨日は自分の気持ちが緩んだのだろう、と悠斗は思った。
こんなに穏やかな気持ちで悠斗が目覚めるのは、本当に数ヶ月ぶりのことだ。
ようやく内定が出て、長かった就職活動を終えることができると未央に報告したのはつい先週のことで、お祝いにと昨夜は彼女が奮発してディナーをご馳走してくれた。
高級店というほどではないが雰囲気の良いダイニングで、前から来てみたかったんだと笑う彼女はひとつ年下と思えないほど大人びて見えた。
悠斗は、未央の腰に回している腕に少し力を込めて、彼女を抱き寄せるように身体を密着させた。
そのまま鼻先を未央の後頭部に寄せて匂いをかぐと、シャンプーともともとの彼女の持つ香りとが混ざった艶っぽい匂いがした。
この香りをかぐと、未央を抱きしめているのだと悠斗は実感する。
彼女はまだ眠っているようで、すうすうと寝息が感じられた。
サークルのひとつ後輩である未央と付き合い出したのは彼女が入学してすぐの頃で、つまりもう2年半一緒にいることになる。
目立つ方ではなかったが笑うと可愛らしく、白い肌に黒髪がよく映えていて最初に見た時から悠斗の好みだった。
音楽の趣味が合ったことで話が弾み、気がつけば手放したくない存在になっていた。
大人しく見えるが付き合ってみると未央は芯の強いところもあり、それがまた悠斗には新鮮に好もしく映った。
未央との付き合いは概ね順調だったが、ここ半年は悠斗の就職活動のためほとんど会えない時間が続いていた。
未央は心配しながらも一定の距離を置いたところにいて、恋人らしい時間を持てない寂しさを堪えて静かに応援してくれていた。
それは一年後輩の未央が就活について自分が言えることはないと理解していたからでもあり、一方で過剰な励ましは良い結果につながらないと思っているからでもあった。
甘〜い(∩ω
リアルで、でもsweetな感じ💕💕
こんな風にラブラブできたらイイな🎶
悩めるケミん さん 2022年9月1日