だから、もっとしたい
大学生の浦田薫は、付き合い始めて2ヶ月になる恋人の水野雅人が自分とのセックスを強く求めないことに少し不安を感じていた。交際は順調でセックスも合うと思っているからこそ、薫はもっとしたいと求めてしまう自分の気持ちから目を逸せなくなっていた。3度目のお泊まりデートの夜、いつものように1回だけで終わって眠った恋人の隣で、薫はつい…
全裸でベッドに寝ていると、全身の肌が直接布団に当たる。
撫でられるように優しい感触で肌が布団に擦れるのは、やはり何か着ている状態では得られない気持ちよさがあると浦田薫は思った。
先ほどまでの熱気が嘘のように静まり返った大きなベッドで、薫はもぞもぞと内腿を擦り合わせる。
隣で寝息をたてる恋人の水野雅人の気配を感じながら、薫がどうしても眠れずにあれこれと考えてしまうのは、下腹部の奥の方が疼く感覚が止められないからだ。
薫は右手でそっと、自分の乳房に触れた。
「…っ」
身体が小さく、ぴくっと反応する。
ふにふにと乳房を優しく揉んでから、指でゆっくり乳輪を撫でた。
布団と肌が擦れる、ほんのわずかな音だけが鳴る。
「ふ…っ」
小さくため息を漏らし、自分で作り出した快感に薫はぎゅっと目を閉じた。
堪えきれず乳首を小さく弾くと、全身に痺れるような快感が走る。
隣に恋人が寝ていると思うからなのか、普段よりずっと敏感になった気がする乳房を、薫は夢中でまさぐり始めていた。
雅人とのセックスで満たされないと言ってしまうのは違う気がする。
現にさっきのセックスで自分はしっかり絶頂しているし、雅人もイッてくれていた。
付き合い始めて2ヶ月、まだ3度目のお泊まりデートではあるが、身体の相性が良いのも間違いなく実感できる。
もちろん、身体の相性が良いだけでなく精神面でのつながりもきちんと感じられる。
つまり交際は順調に進んでいるのだが。
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だからこそ、でもある。
良いと思えるセックスだからこそ、薫はもっともっとしたいと本当は思っていた。
雅人と薫は大学の同じ学部に通う同期として出会った。
知り合ってから1年半ほどは普通の友達付き合いをしていたが、ある日の飲み会後の帰り道で雅人に告白されて、付き合うようになった。
大柄でよく笑う雅人を実のところ薫も好ましく思っていたので、友達から恋人への以降もスムーズだった。
始めてのセックスは雅人が一人暮らしをしている部屋でだった。
雅人は、大きな身体の自分が薫を傷つけてしまわないように、割れ物を扱うようにそっと薫に触れた。
その優しさに、薫はますます雅人を好きになったのだ。
優しくてスローペースなセックスは、経験の少ない薫にとってとても幸福感を得られる気持ちいいセックスだったし、プレイ自体に不満を感じることはない。
ただ、毎回必ず雅人が1度だけの射精で終わることに疑問や不安、物足りなさを感じてしまうのだった。
射精後はしばらくいちゃいちゃして、肌を合わせて眠るのだが、その後2回戦へいくということはない。
良すぎです
こんなふうにお互いに求め合えるのいいね
いくら さん 2023年5月13日