夜よ、どうか明けないで
引き籠り不器用にしか生きられない小槙。幼馴染みで彼女の理解者でもある良太郎。二人は肉体を重ね、生きている実感を得ていた。歪ながらも寄り添う、そんな二人が本当に求めたものは……。
狭い部屋には男女が交わる匂いが充満していた。
ぎしぎしとベッドが軋む音と荒い息遣いに混じって、喘ぎ声が途切れ途切れに部屋の空気を震わせる。カーテンの隙間から差し込む青白い月光がベッドの上にいる二人の輪郭を微かに浮かび上がらせていた。
幼さを残した面立ちの二人はベッドの上で痩せた体を寄せ合うように絡ませる。上気して汗ばんだ肌の感触にお互いが昂り、淫靡な水音が一層激しくなった。
「あっあっ、うぅん、はあっ」」
少女が声を上げて相手の首筋にしがみ付く。幼さの残る顔には昇り詰める寸前の切羽詰まった色が濃い。彼女を突く少年の腰の動きが速まった。さらに速く深く少女の奥を突こうと少年が上半身を起こす。それを名残惜しそうに放し、少女は膣の奥を連打される快楽に震える。
少年の手が自らの腰の動きに合わせるように動く少女の乳房を掴む。小ぶりなそれを揉みしだき、固くなった桃色の頂点を乱暴に摘まんだ。
「ひんっ」
少女は痛みよりも快楽を感じ、背を仰け反らせる。その反応がさらに少年を興奮させ、腰の動きを強めさせた。奥だけでなく、彼は少女の反応が良い場所を男根の先で擦るように膣の中で前後させる。すると少女はさらに締め付け、蠢く膣で屹立した男根を絶頂へと誘う。
「出そう」
少年が切羽詰まった声で言う。
「わたしも、イキそう」
少女が艶めいた声で答えた。
少年はがっしりと少女の細い腰を掴み、がむしゃらに腰を打ち付ける。
肉のぶつかる音とたっぷりと分泌された愛液が立てる水音が混ざった音が響く。
少年は口を閉ざし、自らの男根から脳髄へと駆け上がる快楽に痺れている。強烈な射精感が腰を痺れさせ、彼は欲望の赴く間に腰を振った。
ぐっと亀頭が膨らみ、精液をぶちまける。
乱暴に奥を突かれた少女はシーツを掴み、ぐんと背を仰け反らせて歯を食いしばり強烈な絶頂の波を耐えた。そうしていなければ意識まで快楽に押し流されてしまいそうだった。
「良ちゃん」
少女は自分の上に倒れ込んできた少年の頭をそっと抱き、囁いた。
少年――良太郎(りょうたろう)は少女の髪を撫でて名前を呟いた。
「小槙(こまき)」
良太郎と小槙は裸で抱き合ったまま、交わった後の心地良い疲労に身を任せ、うとうとしていた。しかし、しばらくすると汗が冷え、寒くなってくる。
「小槙、起きて」
「うぅん」
良太郎は身を起こし、眼鏡をかけた。それから目をしょぼしょぼさせている小槙に眼鏡を渡す。
「シャワーを浴びよう。風邪ひくよ」
「うん」
もぞもぞと小槙が鈍重な様子で体を起こす。
「この間まで暑かったのにね」
「秋も終わりだからね」
良太郎は自分の服を拾い上げ、小槙が自分の着替えを持ったのを確認してから部屋を出た。
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