ケジメはつけた
零細広告会社の“制作4課”に籍を置く相川邦夫は、デートの最中に社長から「緊急事案」を持ちかけられた。何でも、お隣の制作3課にヘルプで貸し出した若手社員がヘマをやらかしたらしい。どうやらグラドル絡みで、所属事務所が騒いでいるというのだ。そこで、平成から業界を生き延びてきた相川が、後始末にコロナ禍で閑散としたビーチへと向かったのだった!
緊急呼び出し
相川邦夫は、珍しく空気の綺麗な地にいた。愛車の1985年製のメルセデス・ベンツ300TDTを傍らに停めて大木の切り株に腰を降ろしていたのだ。
だが、ただ座っているだけではなくワークパンツとボクサーパンツを脱がされた邦夫の股間には、ここのところ“セフレを越えて彼女気取り”のミユキが膝まずいて、チュパチュパと剥き出しになった邦夫のチンコをしゃぶっていたのだった。
このミユキはまだ23歳と若く、肌も表情もみずみずしかった。このコロナウイルスでの休暇と自宅待機中に度々“お遊び”にと滞在したホテルに呼んだデリ嬢と客として出会ったのである。
それが、ひょんな事から気が合って、店外デートを重ねているうちに自然とセフレになったオンナだったのだ。
いつもは、邦夫の泊っているホテルに潜り込んではプライベート・エッチをする間柄なのだが、「たまには、別の場所でシようよ」とせがんできたので「野外プレイでもするか!」となったのである。
そこは丹沢山系(神奈川県)の麓にあたる場所で、古くからの友人が持っている山荘の庭先。丹沢といっても国定公園と県立自然公園内には家など勝手に建てるわけにはいかないので、「山荘」とはいうものの街中には近いのが、かえって便利なのだった。
「うっ、うっ、オチンチンもイイ感じで勃ってるよ」
と言いながら、ミユキも昂ぶってきたらしく、自分で服を脱ぎ捨てて全裸となって草地上にバックの姿勢を取った。
「今日は、この体位で挿れてぇ」
「いいよ」
邦夫は後ろから若いのに発達したクリちゃんを擦りながら、チンコを沈めていった。もう、ヌルヌルなのでクンニは必要がなかった。ミユキの腰骨を掴みながら邦夫はグイグイとマンコの中を突いていく。
「あぁ、誰か覗いてない? ワタシたちのセックス、覗いてないよね?」
と、自分をさらに高めながら、邦夫に突かれるままになっていた。そして、我慢できずに、
「もうイクね。いつも先にイって悪いけど、邦夫のチンチンでイくぅっ」
と叫んで、内部とビラビラを痙攣させながらイったようだった。
そのタイミングに合わせて、邦夫も中で放出した。「お仕事の事もあるし、ピルを飲んでるから」と、いつも言うので、中出しは日常的な2人だったのである。
邦夫は都内の零細広告会社に勤めるサラリーマンで、御年43歳。“寄せ集め集団”と社内では陰口を叩かれている制作4課の課長だった。
もともとは、イベントディレクター兼コピーライターで某ロックグループのコンサート演出を手掛けたりもしていた「元やり手」だ。賞をいくつか頂戴した事もあった程である。
それが独立して数年経った頃に起きた「リーマンショック」の余波にやられて、小さな邦夫の個人商店は吹っ飛んだのだ。事務所は潰れ、妻も去り、乗っていた痛車のアルファ・ロメオも手放した。
「もう、やる事ないよな」と、自虐的に求人誌を居酒屋で読むのを日課にしていたところを、今の会社の社長に拾われたというわけだ。
社長が現役でプロデューサーだった頃の知り合い、という事しか知られていないが若い会社ゆえに若い社員が集まる同社の人間たちには「社長のコネで拾われてきた、昔は活躍したオジサン」という認識しかない。それが邦夫には、かえってやり易かったようだ。
大ヒットとまではいかなくても、「いつもソコソコに儲けてくる」邦夫が率いる制作4課に対しても、“いかにもお荷物”という視線を浴びせてくる社員はいなくなり、課内の若い社員も仕事ができないなりに奮闘していたのだった。
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