愛犬ワンコ (Page 4)
「カズちゃ……ワンコ、おいで。トイレに行こう」
一子の表情がぱっと明るくなり、俺の足元を四つん這いで駆け回る。
時々俺の足には頬擦りまでする喜びようだ。
しかし、彼女は俺が向かうトイレとは逆の玄関へと向かった。
「ワンコ、こっちだよ。ここに入って」
トイレのドアを開けて告げるが、彼女は玄関の前に座り込んでキラキラと目を輝かせているだけだ。
ただし太股を擦りあわせて下半身をモジモジとさせている。
「ワンコ、こっちだよ」
「わん!」
「いや、おしっこはこっちで」
「きゃんっきゃんっ!」
俺に抗議の声をあげた一子は、慌てたように玄関の隅に座り込み絶望的な目を俺に向けた。
そして、ブルリと身体を震わせる。
「か、カズちゃんっ」
一子はそんな俺の声にビクリと肩をすくめ、ぷしゅっと何かが吹き出す音ともにその場にうずくまった。
ジーンズのお尻や太股部分の色が変わり、お尻の下に水溜まりが広がっていく。
「あ、やあ」
ハッとしたように顔を真っ赤にした一子が股間を押さえるが、僅かに黄ばんだ液体は止まらない。
「た、田代さん、見ないで! ごめんなさい、ごめんさいい」
「カズちゃん」
耳まで真っ赤にして目を背ける彼女に、俺の鼓動は高鳴っていた。
頭の芯が痺れ、彼女の失禁から目を離せない。
コンコンと湧き出る汚水が聖水に見える。
「田代さん、お願い。止まらないのお」
そう言った一子の瞳の奥に、羞恥以外の色が見えた気がした。
俺は思わず腕を伸ばし、股間を隠す細い腕を握る。
抵抗は一瞬だった。
一子は素直に従い、途切れ始めた湧き水を明かりのもとに晒す。
「あ、ああ、見ないでえ」
口では抵抗しつつも、彼女は自ら足を開いていた。
まるで、お仕置きして欲しいと言っているようだ。
俺の中で、何かが弾けた。
「カズちゃ……。ワンコ、お風呂に行って洗おうか」
「……はい。ごめんなさい」
一子は素直に頷き、俺の腕の中におさまった。
身体の奥底で、ワンコの蓄積された想いが渦巻いているのを感じた。ただの獣欲ではない「想い」だ。
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