雨の喫茶店 (Page 5)
その老紳士はこの店の常連客で、おそらく近所の大学の教授だろうと裕司は認識していた。
礼奈は常連として接しているが大学の人間だとは知らなかったので、学部が全く異なるはずだ。
一瞬前までの興奮からひとまず冷静さを取り戻し、接客に移る裕司の隣で、あまりのことに動揺して言葉が出ない礼奈は下半身を震えさせていた。
「人がいないから、今日は閉めているのかと思いましたよ」
窓側のボックス席に座った客は親しげに、しかし丁寧な口調で裕司に話しかけた。
「ええ、夕方からひどい雨の予報が出てますからね。今日はほとんどお客様いらっしゃらないんですよ」
「確かに、ひどいのが来そうですからね…」
裕司は礼奈の愛液に塗れた指を洗いながら、小声で礼奈に指示を出した。
「お水を」
「…っ、は、はい」
か細い声で答え、礼奈はやっとのことで頷いた。
まだ礼奈の混乱は続いていた。
いつ人が入ってきてもおかしくない場所で自分はあんなに乱れていたのかと改めて認識すると、羞恥心で頭が真っ白になる。
お冷やを用意しながら、どうにか落ち着かなければと思うものの、どうしても先ほどまでの熱い感覚が身体に残ってしまっている。
自分はどんな顔をしているだろうか、この客に何か気づかれていないだろうかとヒヤヒヤしながら、礼奈は客の元へお冷やを持っていった。
「ご注文は」
「アイスコーヒーを」
「かしこまりました」
どうにかカウンターに戻り、裕司に伝える。
「アイスお願いします」
「はい」
コーヒーに力を入れている喫茶店だが、この紳士はいつも紅茶を注文する。
そしてゆっくり本を読んで過ごすのだが、珍しくアイスコーヒーを頼んだのは、この湿気に客も嫌気が差しているのかもしれない。
礼奈はカウンターに戻ると、恨めしげに裕司の顔を見た。
素知らぬ顔でアイスコーヒーを用意しているが、彼のペニスが硬く勃起しているのはエプロン越しにもわかるほどだ。
あとほんの少しで、絶頂だった。あとひとつの刺激で、確実に絶頂していた。その寸前でこんな状況に置かれて、礼奈が平気でいられる訳がなかった。
普段の2人のセックスから考えると、Gスポットで数回絶頂させられたあと、ぐったりした礼奈に裕司はその大きなペニスを挿入する。
絶頂後で敏感になり、とろとろに蕩けきった膣内を強めに貫かれると、礼奈は狂ったように声を上げて感じるのだ。
奥をくすぐるように捏ね、ゆさゆさと身体全部を揺さぶるように動かされると礼奈はトランス状態になり、訳もわからなくなって怒涛の連続絶頂に導かれる。
つまり最初のGスポットでの絶頂がスイッチとなり、どんどん絶頂の波に引きずり込まれるのだ。
今日もあのままいくと、そうなれる、いやそれよりもっとすごいのがキてしまうと強烈に期待していただけに、スイッチが押される期待で焦がれた身体はうずうずと疼いている。
すきです…
ゆ。 さん 2022年10月17日