雨の喫茶店 (Page 8)
「こんなの、初めて…」
自分の意識を手放すような絶頂に、目覚めた礼奈は一気に恥ずかしさを覚えた。
「漫画みたいなセリフだな」
裕司は笑ったが、確かにこれまで見た中でも初めての乱れっぷりを見せてくれた礼奈を今までよりも愛おしく感じた。
「じゃぁ…あのお客さんには感謝だな」
にやりと笑って裕司が言うと、頬を赤らめた礼奈が少しふくれっつらで答えた。
「なにそれ」
「新しい扉、また開いたってことでしょ」
「もう…これから店に来るたび、今日のこと思い出しちゃう…」
「そしたらまたしよう、毎回でも…」
「店長、ずるい…」
恥ずかしがる礼奈を見ているとまた湧いてくるものを感じた裕司は、2回戦はとりあえず店の2階にある自宅部分でだな、などと考えるのだった。
(了)
すきです…
ゆ。 さん 2022年10月17日