兄嫁の本性 (Page 3)
車内に詰め込まれた帆乃美は、久々の満員電車に早くも気分が悪くなりそうだ。体臭、空調、化粧品や香水。諸々のものが混然一体となった最悪の臭いだ。
だが、それ以上に最悪なのが、帆乃美の体を這う博隆の手。大きく野蛮そうな彼の手が、車両の隅に追いやった帆乃美の体をまさぐっている。
タイトスカートの上から脚のラインをなぞり、ジャケットの中へと侵入して背筋を撫ぜた。
「んっ」
声が漏れた。
不意打ち気味に背筋から脇へと移動した手が乳房の傍をくすぐったのだ。いきなり乳房や性器などの分かりやすい性感帯ではなく、博隆の手は丁寧に全身を解きほぐす。そうすると焦らされているかのように、体が少しずつ火照っていった。
「ふぅ、は、ぁぅ、あんっ」
いつの間にやらシャツのボタン幾つかが外され、隙間ができていた。そこからついに博隆の手が帆乃美の素肌に触れる。丁寧に性感を高められた体は、肌と肌が触れ合ったことで一気に情欲を高めた。
臍の周り。脇腹。肋骨のラインを無骨な指先が不釣り合いなほど優しく、羽毛の如く愛撫する。
絶頂のための決定的な性感があれば帆乃美は達するだろう。
それを妨げているのは彼女のプライドではなく、博隆の意思だった。嬲るつもりなのだ。イかせてと懇願するまで、絶頂寸前で押しとどめる拷問じみた愛撫。それを延々と続ける心積もりなのである。
「イきたいか?」
博隆の問いかけに、帆乃美は涙目になって首を横に振った。電車の中でイクような真似はプライドが許さない。そもそも博隆にイかされること自体が屈辱だ。
「そんなに嫌か」
耳元で囁かれると吐息が耳朶に触れただけで目の前に火花が散る。
「い、やよ」
「そうか」
そう言って博隆は帆乃美の首筋を甘噛みし、同時にブラジャーの下で隆起していた乳首を抓った。
「ん、んぅぅぅぅぅっ!」
口を自分の手で塞いでいないと帆乃美は嬌声を抑えられない。それでも完全には抑えきれず、涎と一緒に零れ落ちただろう。
馬鹿みたいに膝が笑っている。意思を離れて痙攣し、目の奥で花火のようにチカチカと火花が散った。その火花は肉欲に着火して、脳を快楽で焼く。強烈な快感は何度か味わった経験がある帆乃美だったが、愛撫だけでここまで昂ったのは初めてのことだ。
荒く息をして博隆にもたれかかり、帆乃美はなんとか立っている。
そんな彼女の下腹部に向かって、するりと博隆は手を伸ばす。今度は子宮の辺りを腹の上から撫でる。
「あ、あぁ」
女の秘奥をねっとりと外部から刺激され、味わったことのない快楽がじんわりと下腹から広がっていく。
これ以上はまずいと思うが、帆乃美の体は思うように動かず、支えられて降車するまで、幾度も絶頂させられるのだった。
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