青い薔薇の花言葉は (Page 5)
胸の奥がざわめくのを感じながら、澤木も鈴鹿と同じように夜空を見上げる。眺める人間が変わったからと言って、急に雲が晴れるわけでもない。暗いばかりの夜空が延々と冬枯れの枝の向こうにある。
「俺がお前にやれるもんは、もう何もないんだよ」
「なんにもいらないよ。わたしは先生の傍にいたいだけ……」
「なんで――」
澤木は深々と嘆息した。
「なんで、こんなおっさんがいいのかねぇ」
無精髭の生えた顎を擦り、澤木は普段と同じような冴えない中年男の顔に戻る。
「助けてくれた。生き方を教えてくれた。それだけじゃないよ」
鈴鹿は澤木に近寄ると、力一杯彼を抱き締めた。
「ぐぇっ」
情けない声を出した彼を見上げて笑い、鈴鹿が涙で濡れた顔のまま口付ける。
「わたしのことを笑わせてくれた。人間扱いしてくれた。もっと、もっとあるよ。先生のことを好きな理由」
再び澤木は溜息を吐いた。諦めの吐息だ。
「それでも鈴鹿。お前は俺から離れろ。世の中のことを色々と見て回って来い。それでも帰ってきたくなったら、帰ってこい。まあ、俺もブラついてるから、見つけられたらな」
「浮気しない?」
「さあな」
怖い顔になった鈴鹿の尾後を掴み、澤木は唇を合わせる。舌を差し込み、口腔を味わう。
「ふぁ」
「まあ、もうしばらく一緒にいることになるんだ。可愛がってやる」
そう言って底意地の悪い、小悪党めいた顔で笑う澤木に、鈴鹿は屈託なく笑いかけた。
ぐっと腰を引き寄せ、澤木は鈴鹿をテントの中に連れていく。
待っていろと言い置き、澤木は焚火の始末をテントに潜り込む。
そこにはすっかり裸になった鈴鹿が待ち構えていた。彼女の肢体は瑞々しく、闇の中でも浮かび上がるように目を惹いた。澤木は力任せに鈴鹿を押し倒し。首筋を唇でなぞる。
「ひゃん」
子犬のように鳴き、鈴鹿が身を縮める。
するりと鈴鹿の手が澤木の背中に回った。撫でるような手つきで彼女は澤木の体の感触を確かめる。それに対し、彼は少々乱暴な手付きで鈴鹿の体をまさぐる。肌というよりも、その下にある肉を熱くさせるような手つきで、澤木は彼女の隅々まで触れた。
次第に鈴鹿の肉体は蕩け、秘裂からは蜜が溢れる。反対につんと尖ってしまうのは形の良い胸の頂点と秘裂に潜む陰核であった。そこを起点とし、澤木はさらに刺激を加える。
「あぅっ、うぅん、はぁっ」
情欲に色付いた吐息を吐き、抑えきれない快楽がぱちぱちと火花のように鈴鹿の中で弾けた。
蜜を掬い、澤木は指先を彼女の中へと潜り込ませる。指であっても貪欲に鈴鹿の膣肉は吸い付き、悦びを貪った。
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