青い薔薇の花言葉は (Page 8)

 そろりとアトリは体を起こした。

 古賀は何もせず、じっとそれを見つめている。

 彼女の感情は、生まれたばかりの雛鳥が初めて見たものを親だと思い込む刷り込みに近いものだ。そして、雛鳥が自分を育む親鳥を独占しようと考えるのと、近しい感情なのだろう。

 しかしながら、古賀はそういったアトリの情動に対し、一切指摘することはしない。生まれ持った能力のコントロールについては、教えることができても、自分の心と向き合う方法と自ら時間をかけて会得するしかないのだ。

 徒な否定も肯定も、アトリの成長を妨げるものしかならない。

 彼のそんな考えなど知るはずもないアトリは、動こうとしない古賀に口付けをした。

 口唇だけでなく、舌も使って彼女は古賀を愛撫する。アトリを受入れ、舌での交歓に古賀は応じた。

 胸元へアトリの手が伸ばされ、服の下へと入っていく。指先で触れられた所から熱を持つような感覚に古賀は晒される。完全に身を任せ、彼はされるがままに愛撫された。

 絡め合っていた舌が離れ、アトリは古賀の下半身を露出させる。古賀は応じるために男根へと力を入れた。するとむくむくと男根が立ち上がり、アトリの顔の前に逞しい先端を向ける。

 ちろちろとアトリの舌が肉棒の先端をくすぐたった。たっぷり唾液を塗し、彼女は赤い舌を裏筋に沿わせて、根元まで手を使わずに奉仕する。

 睾丸も手で丁寧に愛撫し、肉棒を口腔に収める。膣とは違うぬめりと締め付け感に、古賀の男根は硬度を増した。アトリの口淫は男に快楽を与えながらも、決して不必要な痛みを与えない一級品である。

 最大まで膨張した肉棒を満足げに見つめ、アトリはいそいそと着ているものを脱いだ。露わになったのは形の良い乳房と細い腰。すらりとした足で古賀に跨り、騎乗位で自らの秘所に男根を招き入れる。

 古賀の男根が肉を割って先端をアトリの中への埋没した。

「んん、んぅ」

 じわじわと腰を下ろし、アトリは秘肉を貫かれる感覚に体を震わせる。

 そして、ついに根元まで淫肉ですっかり飲み込むと、アトリは古賀にしな垂れかかった。彼の耳元に乱れた息を落として時折体を震わせ、軽い絶頂の波に堪えている。

 動きの鈍くなった彼女に変わり、古賀が下から角度と強さを変えて弱点をゆっとりと責め立てる。通常の性交とは、比べ物にならないほどのスローペースで古賀は挿入を繰り返す。白く泡立った愛液が纏わりつき、卑猥に飾り立てていく。

 一見すると性交とは思えないようなゆっくりとした責めで、古賀は容易くアトリを絶頂へと導いた。

「あっ、あっ、ああぁぁぁぁぁぁ」

 長く尾を引く声を上げ、一際強い快楽に呑まれたアトリはがっくりと全身の力を抜き、動かなくなってしまった。

 それからさらに何度もアトリを絶頂させ、疲れ果てたところで古賀は、彼女の体を拭き清め、元通り寝袋で眠らせる。自分も寝袋に収まり、古賀は疲労に身を委ねるのだった。

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