チッパイ好きオジサンの「出会い系」冒険 (Page 2)
久志の日常
「はい、いつものサインです。午前便は終了という事で!」
久志は宅配便のトラックの伝票にサインをしてから見送った。それから、「ふ~」とため息をつき、「これでヨシ!」と独り言を呟いたのだった。
そこは東京近郊にある工業団地(と言っても、最近は製造よりも流通倉庫が多い)内のはずれにある、古くて小さな倉庫だった。ここには、社長の久志が全国で仕入れてきた古着や倒産品、バッタ品が大量にストックされているのである。
久志は、それらの品々を自社HPやネットモールで売りさばいては、食い扶持を稼いで生計を立てていた。離婚した元妻との間には子供はおらず、従業員は古参パートの麗子だけという身軽さも幸いして、遊ぶ金はあったのである。
商売の方は、“アメカジ”をメインにするという姿勢さえブレずに持っていれば、あとはミリタリーやハワイアンなどの「本物」を趣味で扱う事も良しとしていた。だからなのか、面白味も感じていたのだ。
その日も、午前の分の入出荷は終わったので久志は休憩も兼ねて事務所のソファーに横になって「読書タイム」に勤しむつもりだ。最近は『長いお別れ』(R.チャンドラー)を再読している。
ネット通販がメインなので来店客もなく、やって来るのはセールスくらいなので、久志は対応を麗子に任せていたのだ。
「これ、やっておいて」「あれ、やっておいて」で、だいたいの事が通じるのは、やはり便利である。メールでの受注や発送も全てこなせるのだから頼もしいかぎりである。
それに何よりも熟れた肉体を定期的に頂けるのも、フツーのオジサンにとっては嬉しい。
初めて交わった日に、
「どちらかが飽きたらセックスは終わりにしましょう。パートは続けますけど(笑)」
と、自分から言ってきたのには驚いたが…。
こんな具合に、久志の毎日が過ぎていっている。
48歳でバツイチ・独身の久志は、絶倫とまではいかないが独身の気楽さなのか、離婚した30代半ば以降は女性の数だけはこなしている(笑笑)。お相手が満足しているかどうかは、また別の話しである(爆)。
レビューを書く