チッパイ好きオジサンの「出会い系」冒険 (Page 3)
「出会い系」で無いモノねだり
久志は平日だと朝の麗子の出社前、午前便終了後~昼休み、夕方便の出荷までが主な業務になっていた。土曜日はHPの更新や追加の商品撮影、日曜日は急ぎの出荷だ。
そんなに働いてはいたが、麗子は私より忙しく、仕入れ品のクリーニングもやっていた。働き者である。
その麗子とのセックスだが、正直言って久志が持て余す時もあった。旦那とのレスが落ち着き、久志との定期的かつ安定したオトコ供給を得るようになると、体の成熟度が「再開花したみたいよ」と、言っていたくらいだ。
ちなみに1度目の開花は新婚当初。この時には旦那も熱心に求めてきたので、とにかく体(特に下半身)がセックスに馴染んできたらしい。
そして、2度目は、久志との不倫が始まった1年前からだと言っていた。
確かにバストとヒップが張ってきて、具合の良さそうな体をしている。熟女らしく、程よく弛んでいるのも艶めかしい。
それに、性格も明るいときている。オンナとして申し分ないというか、久志にはもったいないのであった。
それでも、“無いモノねだり”と言うのか、久志は「たまには違ったオンナも味わいたい」と、密かに企んでいたのであった。
つまり、いつもはボリュームがあって脂が乗っているステーキなので、「あっさりとした和食も食したい」と、想っていたのだ。
狙うのは、オッパイなんて無くてイイので“とにかく痩せているオンナ”。それで、モリマンなら尚可といったところだった。
なぜならば、久志は中年男性の御多分に漏れずに腹が出てきたからだった。そうなると、自分の腹の贅肉が邪魔をして「対面座位」ができないのである。グラマーな麗子では基本的に無理なのだ。お互いの肉が、干渉しあうからである。
そこで久志は、「出会い系サイト」を使って“対面座位をキめられそうなオンナ”を探す事にした。これならば、ナンパが苦手な久志でもデきると思えたからである。実際に、何人かの人妻とアポを取って、セックスまで到達した実績もあるのだった。
久志には“ある程度の時間の都合がつく”という、利点がある。対応時間の幅が広いのは、出会い系にとっては大きな武器になるのだった。
こうして久志は某大手老舗サイトにログインして、「スリムレディ奪取作戦」を開始したのである。「作戦」と壮大なスケールがあるような事と銘を打ったが、要は女性側ユーザーのプロフを見て、気になった女性がいたらメールを送りまくるというモノ。
そこで久志は、「ピュア」と「アダルト」に分かれるカテゴリーの「アダルト」に入って、“スグでなくても” “趣味のあう人” “既婚者” にチェックを入れた。
さらに、年齢を25歳~50歳、体型を “スリム” “普通” にもチェックをして検索にかけたのである。
この検索にヒットした女性ユーザーが一覧で出てくるので、あとは気になる女性個々のプロフを開いて、メールを送ればいいだけだ。
内容は、
「アラフィフのオジサンです。最近、メタボ気味なのでとにかく痩せていてスリムな女性に憧れます。自営業で時間は合わせられるので、飲みに行ったりカラオケしたりしませんか?」
という感じだった。
出会い系は女性の売り手市場で、選び放題なので確率的にはオススメはできなかった。だが、今回の久志のように明確な目的があるのなら有効と思われた。なぜかというと、始めから希望に合った女性しかリストアップされないからである。
久志は取り敢えず、写真があっても無くても“本物のスリムっぽい”のをセレクトして20人にメールを送ってみたのだった。で、翌日に自分の掲示板を見てみると、
「自分が中年太りのくせに贅沢言ってるんじゃねーよ」(21歳・学生)
「幼児体型じゃ、ダメですか?」(29歳・販売)
というレスが来ていたのである。久志は、「幼児体型じゃ~」という販売のコをメールで繋ぎ止めて、もう少し待ってみる事にしたのだった。
すると、その2日目の夜に、
「まだ募集していますか?モデルというよりも“ただ痩せているだけ”なんですけど、良ければメールしませんか?」
というメッセージが入っていた。
送り主は穂香さん(仮名・31歳・会社員)で、「恋人もいなくて、ひとりでヒマだから」と書いてあったのだ。
このメッセージを見た久志は、とにかくソッコーで返信。
「まだまだ募集していますよ。小さい頃から、痩せているんですか?」
と送り、彼女が5分もしないうちにレスしてくれて、やり取りが始まったのである。
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