チョロいと思っていた同期の女とどこまでも堕ちていく話
同期の長谷川茜は彼氏がいるはずなのにたびたび俺と二人っきりで遊びに出かけていた。そんな彼女を罠にはめるために温泉旅行に誘うことに成功した。でも、気付けば温泉でフェラされてしまっていた。だからといって俺も茜にやられっぱなしじゃない。夜はまだまだ長い。俺の逆襲はここから始まる。
同期の長谷川茜は距離感がバグってる。
そのことに気付いたのは、二人きりの徹カラを終えた後だった。
(おかしいよな……)
駅前で長谷川と別れた後、煙草をふかしていると、余計にその思いが強くなってくる。
確か年下の彼氏がいたはずだ。
最初にご飯に誘われたときに、そんな話題になったのを憶えている。
「お付き合いしている人ですか? いますよ。大学の後輩で、可愛い子なんですよ」
「ん? じゃあ、何で俺を飯に誘ったんだ? そいつと行けば良いじゃないか」
「行きますよ。でも、このお店が美味しいかどうか、分からないじゃないですか。だから、こうして三輪君と試しに来たんじゃないですか。お仕事の話もできますし」
そう言ってあっけらかんと笑う長谷川。
実際、食事の時は色気のある話ではなく、確かに仕事の話しかしなかった。
そして、実際の同じ店に彼氏と行ったらしい。
その報告を受けたのは、別の日に誘われた映画の後の食事の時だった。
勿論、その映画にもその後彼氏と行ったのは言うまでもない。
それからも、ハイキング、公園散歩、遊園地と次から次に連れ回された。
そして、今日は徹カラだ。
(まったく、どこまで舐められてるんだって話だよな……)
空に消えていく紫煙を眺めながら、徐々に苛立ちが湧いてくるのを感じた。
きっと人畜無害で、自分に害をなさないと高をくくっているのか。
それとも、お嬢様学校出身で、良いところの大学を出た箱入り娘と言っていたから、もしかしたらそういう悪意を知らないのかもしれない。
だとしたら……。
俺の頭の中で悪い計画が組み立てられ始めていた。
週が明けて仕事上がりの休憩室で偶然長谷川と二人きりになった俺は思い切って切り出してみた。
「なあ、長谷川、今月末空いてるか?」
「んー、大丈夫ですよ。何ですか?」
特に何の疑問もなさそうに長谷川は尋ねてきた。
俺は何気ない風を装って口を開く。
「いや、温泉旅行券をこないだもらったんだけど、一緒に行かないか?」
「……えっ? 二人で温泉旅行ですか――」
一瞬口ごもる長谷川。
流石にそれは断るよなと、冗談だと言おうとした瞬間だった。
「――良いですよ。そこって部屋に露天風呂あるところですか?」
「えっ? うーんと、どうだろ、もらい物だからなあ……」
「だったら、カップル割を使って、ちょっと良い旅館に泊まりませんか? 湯布院に行ってみたい所があったんですよ。ふふっ、楽しみですね」
そう言っていつものように優しく微笑む長谷川。
それにしても想定外だった。
俺の計画以上のことになってしまっていた。
そういえば、長谷川の微笑みはどことなく淫靡なものが感じられた。
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