だから、もっとしたい (Page 2)
前戯も後戯も丁寧な、最高に気持ちいいセックスだから、薫はもっと欲しいと思う。
しかしそれを自分から言うのは恥ずかしかったし、嫌われるのも怖かった。
もし求めて、拒まれたらと思うとぞっとする。
雅人は優しいからきっと、断るときに申し訳なさそうな顔をするのだろう。
「2回はちょっときついかな、ごめんね」とか言われたら、自分だけがひどく強欲で淫乱な女のようで惨めだ。
どの程度の回数や時間のセックスで満足するのかは人それぞれだし、1度射精したら男性の身体が疲れることも薫は理解している。
しかし自分たちはまだ若い。
薫が触れてきた性的なフィクションの多くで、若く健康な成人男性は一晩で何度もセックスするという描かれ方をしていた。
雅人はスポーツマンだし、体力がないようにも見えない。
体力と精力は別だとしても、薫は自分が雅人にとって「何度もしたい」と思う相手ではないのではないかという疑問と、自分の方はもっともっとと求める気持ちがあることへの後ろめたさを感じていた。
*****
薫は、自分の乳首を捏ねながら、小さくため息を漏らし続けた。
そして細かくぴくぴくと身体を震わせる。
乳首を爪先でぷるっと弾いた瞬間、それは何度目だったかわからないが、膣口からとろりと愛液が漏れ出たのを感じた。
たまらない。
もう少しだけ、と思って自分の身体をまさぐるが、続けていると結局もっと強い快感が欲しくなる。
そしてその欲望は、絶頂するまで解放されることなく燻り続け、膨れ続ける。
堪えきれず、薫は下半身にも手を伸ばした。
隣から、雅人の寝息は変わらず聞こえている。
割れ目をそっとなぞると、そこはすでに熱く滑っていた。
愛液を指で掬い取り、ゆっくりクリトリスを撫でると、甘く痺れるような快感が下腹部に響いた。
「っ…ふ、ぅ…」
ごく小さい声が漏れる。
興奮はどんどん高まり、薫はそのままぬるぬるとクリトリスを擦り続けた。
たっぷりの愛液が指を滑らせるので、撫でるより少し強い力で圧迫するように擦っても痛みはない。
むしろ刺激が次々に快感へ変わり、薫は指の動きを止められなくなっていた。
「…ぁ…っ」
薫は普段頻繁に自慰をするわけではないが、それでも普段自分でしている時より身体が明らかに感じやすくなっており、興奮しているということがはっきりわかった。
愛液の分泌も明らかに多く、指が動くたびに水音も小さく鳴っている。
そして普段よりもずっと早く押し寄せてきた絶頂の予兆に、太ももをぶるぶると震わせた。
「っ…ふぁ、ぃ…っ」
このままならすぐにでも絶頂しそうだというところで、全神経が陰部に集中していたため、薫は自分が立てる音や漏らす息、そして動きによる振動が隣に寝ている雅人にも思ったより響いていたということに気づけなかった。
良すぎです
こんなふうにお互いに求め合えるのいいね
いくら さん 2023年5月13日