出さない手紙

・作

女は、人生の全てを捧げた男を思い出して海へ行く。男は職場の上司であり、誰からも信頼され、妻子ある存在だった。男と一線を超えた女は、なりふり構わず絶望へと向かって進み出す。いつか、彼が妻ではなく自分を選んでくれると信じて…。

灼熱の太陽が降り注ぐ中、私は彼がプレゼントしてくれたレースのワンピースを着て海へと向かう。

黒でもなく、青でもなく、ネイビーの色が、いつか二人で見た夜空と同じに見えてお気に入りの一着だった。

車一台を停めるのがやっとという細い崖の先に辿り着くと、眼下には美しい海が広がる。

あの日、彼の車でここへ来て、私は初めてを捧げたのだ。

 

私はバッグからまだ封をしていない手紙を取り出すと、弱々しい自分の筆跡で書かれた文を読み返す。

そこには限りないほど、彼への愛について綴られていた。

 

********************************

 

『あなたへ

 

あなたと出会って、私の世界は変わりました。

まさか、こんなに早く別れが訪れるとは思ってもみませんでした。

 

私が大学を卒業して就職した先に、あなたは上司として勤務していました。

同僚・部下・上役などすべての人から絶大な信頼を得ていたあなたは、よく仕事でミスをする私をいつも庇い、フォローしてくれましたね。

私はそれまで、勉強しかできない人間でした。勉強さえしていれば、良い大学に入れて良い仕事に就けると思っていたのです。

しかし、社会に出てからその考えは瞬く間に吹き飛びました。

社会では勉強ができるかどうかというよりも、臨機応変に対応し、コミュニケーション能力に長けている人物が生き残れるのだと知りました。

私はとても引っ込み思案な性格でオドオドしてしまうので、いつも父親から「はっきり話さない奴だ」と怒鳴られていました。

職場でも先輩社員に怒られてばかりで萎縮していましたが、そんな時、あなたはいつも私に助け舟を出してくれましたね。

公開日:

感想・レビュー

コメントはまだありません。最初のコメントを書いてみませんか?

レビューを書く

カテゴリー

月間ランキング

最近のコメント

人気のタグ

中出し 乳首責め 巨乳 フェラチオ 指挿れ 女性優位 クリ責め クンニ 調教 レイプ 潮吹き 騎乗位 処女 言いなり 口内射精 無理やり 羞恥 言葉責め 処女喪失 オナニー ラブホテル 不倫 教師と生徒 拘束 女性視点 イラマチオ 玩具責め 淫乱 熟女 積極的

すべてのタグを見る