デーモンスレイヤー (Page 5)
「貴様……何者だ?」
悪魔は鋭い牙をむき出しにして問う。
「あなたたちの敵よ」
サキは長剣の切っ先を悪魔に向けながら答えた。
「この学園で人を殺している悪魔ね。何のために人を殺しているの?」
今度はサキが悪魔に問う。
「こいつの……この肉体の望みさ、願い事さ」
悪魔はサキの問いに答える。
「成績上位になりたいという願いだ」
悪魔はその願いをかなえているだけだと言う。
成績上位の学生を殺していけば、悪魔がいま取り憑いている少年が上位になれる。
そのために、悪魔は学生たちを殺していると言う。
「悪魔は人間の願いをかなえるものだからな」
「人の命を勝手に奪っていい理由にはならない」
サキは長剣を構え、悪魔に斬りかかった。
サキの長剣が突き出される。
悪魔の喉を狙った一撃。
サッと横に跳んで避ける悪魔。
サキは長剣を横に振った。
悪魔の胸を斬り裂くかと思われた一撃だが、悪魔は長剣の刀身を掴んでそれを防いだ。
お返しとばかりに、悪魔はサキに向かって蹴りを放つ。
サキは長剣の柄から手を離し、後ろに跳ぶ。
悪魔の蹴りは空振りに終わる。
長剣を手放したサキだが、彼女の手にはすでに新しい長剣が握られていた。
悪魔との距離を縮め、サキは悪魔の胸を狙って長剣を突き出す。
悪魔は腕で刀身を弾いて剣撃の軌道を無理やり変え、カウンター気味にまた蹴りを放ってきた。
「くっ!」
サキは上半身をひねり、どうにか蹴りによる攻撃を避ける。
(この悪魔……なかなか強いわ)
簡単に退治できる悪魔かと思われたが、そうではないようだ。
それなりの強さを持つ悪魔であるらしい。
「どうした? 俺を倒すんじゃなかったのか?」
悪魔は掴み取った長剣を投げ捨て、挑発するような口調で言う。
サキは左手にも剣を持つ。二刀流で悪魔を攻撃する。
右の剣を突き出す。悪魔は上半身をひねって、それをかわす。
サキはすぐさま左の剣も突き出した。
かわせないだろうと思った攻撃だが、その攻撃もかわされてしまう。
サキの攻撃をかわした悪魔は、右の拳を放つ。
大きな拳が、サキに迫る。
サキは2本の剣を交差させ、悪魔の拳を防いだ。
音を立てて砕ける刀身。それだけではなく、衝撃でサキの体が後ろに下がる。
悪魔は両腕をブンッと振った。不可視の衝撃波が飛ぶ。
「きゃああっ!」
衝撃波はサキの黒いブレザーと灰色のブラウスをズタズタに引き裂き、ただの布切れにさせた。
上半身、ブラジャーだけとなったサキは衝撃波で吹き飛ばされ、床に落ちる。
Fカップの乳房を覆うブラジャーは、凝った刺繍が施されている灰色だ。
急いで立ち上がろうとするサキに悪魔が接近し、片方の腕で彼女の体を床に押さえ付けた。
片腕だけで押さえられているというのに、サキの体は釘でも打たれたかのように、床から離れることができない。
悪魔は顔にニタッとした笑みを浮かべると、もう片方の手を彼女の豊かな胸へと伸ばしていった。
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