箱庭の中の幸福 (Page 4)
「はぁっ…ち、がう…の…気持ちぃから…もっと…、…もっとしてください…」
「…」
「…ぁ…あ…っ…」
今度は浅くゆっくり出し入れされて、もどかしい快感にお腹の奥がじんじんします。
「…それやだぁ…ぁぅ…、…健二さっ…ふぁっ…」
「…ごめん、動いたらイきそう…」
「はー…はぁ…っ…お願い…あぁ…おかしくなりそうなんですぅ…」
「…もう…」
「はぁんっ!!」
健二さんは私の足を胸につくほど折り曲げ、ぱんぱんぱんぱん…と音を立てて腰を打ちつけました。
「あっ、あっ、あんっ…!あ、ああ―――…!」
そのひと突きごとにイかされているような感じで、頭の芯がふわふわとして、何も考えられなくなっていきます。
「…イっ、く…あぁ、ダメ、ダメ…んんんっ…!」
「…っ…!」
背中を反らせて一際深くイった時、ずるりとペニスが抜かれ、お腹の上に熱い精液が迸りました。
半年が経ちました。
相変わらず姑は私を虐め、夫は職場の若い女性と浮気を始めたらしく、今では月に数回帰ってくれば良い方です。
それでも私は、前ほどここでの生活が苦痛ではなくなっていました。
「…け、んじ…さん…ぁっ…意地悪、しないでぇ…」
「してない」
「嘘…、…ちゅ…んっ…何か…怒ってるでしょ…?」
「いて」
寒々しい小屋の中、体を繋げたまま優しいキスだけを繰り返され、焦れったくなって軽く唇に噛みつきます。
「…昨日、帰ってきてたから…兄さんともシたのかなぁと思って」
「…ふふっ…」
「何で笑う」
「…健二さん、意外と可愛いとこ…、…あぅっ!」
不意にぐりぐり腰を押し付けられて言葉が途切れます。
あの日から私たちは、2人だけの小屋で度々体を重ねていました。
最初は不貞を働くことで、夫や姑に対してざまあみろという気持ちがなかったわけではありませんが、今では純粋に夫より、働き者で優しい健二さんのことを好きになっていました。
「あっ…健…はぁ、っ…おっきぃ…」
「兄さんと比べて?」
「も…い…わない、で…あんっ…あ、あっ…」
農閑期の冬は、畑に出てしまえば姑の目を盗んで、いくらでも2人で過ごせました。
この古い小さな小屋が私の楽園。
キスの合間に好き、と囁くと、健二さんは返事の代わりに私の下唇を柔らかく噛みました。
(了)
ままならない関係の逢瀬、いいですね。
匿名 さん 2020年9月19日