会社の部下にキメセクされた (Page 7)

 ふと、視線を感じて目を上げると、真っ直ぐに見つめるいつもの彼女の目とあった。

「……そういうとこ、ですよ」

 すぐ近くで頬を真っ赤にした友梨が、少しムッとするように眉根を寄せている。

「裕二さん、私たちの間違いも失敗も全部自分のせいにしてますよね?」

「え?」

「なんで、正直に私や他の先輩たちが間違ったって話さないんですか? そうすれば、怒られなかったのに」

「は? いや、そんなことして波風を立てても仕方ないだろう?」

「そんなだから、先輩たちは『課長の指示だった』って言い訳して逃げるんです。全部、裕二さんのせいにして」

「いや、でもほんとに俺がーー」

「『上手く行ったら自分の手柄、失敗したら課長のせい』って教えられました。みんなで便利に使えばいいって」

「……分かってるよ。そのおかげで辞める決心が付いたんだし。君がどういうつもりでこんなことをしてるのか知らないけどーー」

「私はそんなの嫌だったんです」

 彼女はそう言うと、ニコリと微笑んで俺の汗だくの胸に頬擦りする。

 そう言えば、彼女だけは俺と一緒に謝っていた気がする。

 それで同僚から責められているような姿も、見たことがある。

 しかし、信じられない。

「いや。今日の飲み会で君たちは俺の追い出し会をーー」

「私にとっては最後のチャンスでした。ほんとはこんなの使いたくなかったんですけど、もう時間ないから」

 彼女はそう言って、またリキッドの瓶を持ち上げた。

 今度は自分の舌下にポタポタと垂らす。

「既成事実を作ります」

 しばらくすると彼女の目の瞳孔が開き、焦点が朧げになっていった。

「んひ。……まらまら、れすよ。この薬のせいなんれすから、気にしないれ、くらしゃい」

 彼女は淫猥に微笑んだ。

「なんーーんんっ!」

 俺の口にリキッドの瓶を押し込まれ、清涼感のある甘い液体が口内に溢れた。

 麻酔をかけられた時のように頭がぼおっとしてくる。

 同時に、まだ彼女の中で大きくなりきれていなかった肉槍に血液が集まってくる。

「んんんっ! アハ、元気になった。……わらし、裕二しゃんと離れたくないんれしゅよ」

 友梨は俺の上でまた腰を動かしながら、嬉しそうに笑った。

「私だけの裕二しゃんに、なってくらさい。ね、なってくれますよね?」

 靄のかかったような意識が、じゅぷじゅぷと響く水音と肉槍を締め付け扱いてくる柔らかな肉の襞たちの快感に埋もれていく。

 コクコクと頷いたのは、自分の本心なのか、薬のせいなのか。

 じゅぷじゅぶと淫猥な水音と友梨の可愛らしい嬌声が響き、血液がますます下半身へと向かう。

 もう、いつ発射してもおかしくないほど、股間には熱が集まってきている。

「ん、ゆ、友梨……」

「はい、裕二しゃん。ずっと一緒にいてくらさいね」

 俺の上で腰を振りながら笑う彼女の目は、吸い込まれそうなほど真っ暗だった。

(了)

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