ラは幸運(ラッキー)スケベのラ (Page 2)
「私の方からも説明しま、っ――」
それまで耐えに耐えてきた服(と、その下の下着)が、遂に限界を迎え。
派手な音と共に張り裂けてしまいました!
「キ、キィヤアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」
弾け飛ぶ、ブラウスのボタン数個。
張り裂けるタイトスカートと、その下のストッキング。
ブラウスの下のブラも、フロントホックが消し飛んで。
中身であるロケット型のおっぱいが、藻也の視界を満たしました。
「おわわわわっ」
そもそも藻也は、スマホを落とし物だと言う必要は無かったのです。
それでも正直に言いました。
そんな藻也に対し、女性警官の事務的過ぎる対応には目に余るものが。
それ故に、多少のサーヴィスがあって然るべきだと思えました。
「み、見ないでっ!」
藻也からの視線を防ぐために、女性警官は右手で両の胸を隠します。
左手はスマホを持ったままで、破れたスカートを隠そうとしました。
しかしボリュームのある体に、それらはほぼ無駄な抵抗でした。
「……幸運(ラッキー)スケベっていうのは、字面ほど幸運じゃあ……」
……ない、と藻也は言おうとしたのでしょう。
更にその後に、むしろ気まずさの方が勝るな、と続けそうでした。
しかし女性警官は、ラッキーという言葉尻だけを捉えて。
「タ、タイホしますっ……!」
と言いながらも、しゃがみ込んでしまったのです。
「えと、どうやって?」
と、とりあえずツッコミながら、藻也はスーツの上着を脱ぎます。
そしてそれを女性警官の肩に掛けてあげました。
「タイホはタイホですぅ……」
真っ赤な顔で、少し涙ぐみながら女性警官。
上着で隠せない股間部には、左手のスマホをあてがって立ち上がります。
「交番まで一緒に行ってあげるから」
藻也は上着を取り返す都合からそう言ったのでしょう。
しかし女性警官は、単に親切なんだと思い込んでしまったようです。
「ありがとう、ございます……じゃあすみませんが一緒に」
来てください、と続けようとしたところで。
偶然、あくまでも偶然にスマホが着信を示しました。
「きて、っ、きいぃやあああっ……!」
着信設定はマナーモードだったようで、スマホは高周波の振動をします。
それを股間の恥丘あたりに押し付けていたので……
「いやっ、来ちゃダメ……ぁあんっ」
女性警官は一人でよがり始めてしまいます。
美人警官の乱れ姿。これこそ眼福かと思われましたが。
藻也の反応は、目が点になるというイマイチなものでした。
その眼前で、女性警官はゆっくりとバランスを崩して倒れそうに。
「あ、あぶない!」
藻也は女性警官を支えようとします。
そこへ、たまたま(これは本当にたまたま)過積載のダンプカーが。
橋の路面を揺らしながら、彼らの傍らを轟音とともに通り過ぎたのです!
面白かった!
わに さん 2020年5月20日