夏の終わりを無作為に過ごす (Page 2)

 
 「仕事」という言葉が抜けただけで自分に、生きている理由が無くなるとは思わなかった。
 
 結婚をすれば、嫁の為、子供の為、家族の為に生きていくと誰もが誓う事だろう。
 
 けどそれは諸刃の剣なんだ…誓いは私の心を拘束していく。
 
 何も考えず、場違いなスーツ姿で砂浜に来てしまった私は異世界にでも迷い込んだような感覚だ。
 
 海に来るのも何年ぶりだろう…子供が大きくなるにつれ、お出かけをする頻度は減っていった。
 
 目に映る人達が憎いわけではない。羨ましいわけでもない。
 
 ただただ、私一人が別の場所にいるという孤独感に耐えられないだけなのだ。
 
 居たたまれなくなった私は海水浴場を離れようと歩き出す。

 ピコン

 再び、通知音が鳴る。
 
『返事が無いんですけど、会ってくれますか?』

 先程の相手か…。少し立ち止まり、海を見渡せる位置で辺りを見回す。
 
 海岸には家族連れ、沖合には男性サーファー、隣には日焼けした女性。
 
 とてもじゃないが死に場所になりそうな雰囲気ではない。
 
 会えるか会えないか…。
 
 そう思わせる瞬間があるから出会い系は流行ったんだろうな。
 
 実際には金と欲望が見え隠れする業者の搾取の場だろう。
 
 本物の女性に出会えるかは運だ。
 
 運命というよりも単なるギャンブルだろう。
 
 課金ガチャよりは自分に見返りがあるかも知れないが。
 
『はい、会いましょう。待ち合わせ場所は…。』

 私は待ち合わせ場所を指定し、返事を送った。

 ピコン

 早いな。
 
 携帯を確認するが、返事は来ていない。
 
 気のせいか?

 ピコン

 ワンテンポ遅れて返事が届く。
 
『もう、海岸にいるんですね。私もすぐ近くにいます。』

 早く会えそうだな…とはいえ、会ったらどんな事を話すべきなのか。
 
 自分の身の上話?相手の死にたい理由?
 
 どっちも性に合わなさそうだ。
 
 適当に相手に合わせた返事を返す。

 ピコン

 ん?返事が無いのに音が鳴った?
 
 隣にいる女性も携帯をいじっている。
 
 彼女の音か。地元の人間だろうか?日焼けした肌と海風に当てられて茶色に脱色された肩まで伸びた髪が印象的だ。

 ピコン

 返事がきた。
 
『どんな格好をしてますか?私は半そでのフリルにデニムのショーパンです!』

 うん?どんな格好なんだろう?文字だけじゃわからない。
 
 相手の女性は、年齢不明だが、未だにスマートフォンの事を携帯と呼ぶ私より、大分年下のようだ。
 
 私の服装を送った方がいいのだが…海にスーツって言ったら笑われないだろうか。
 
 いや、自分でもおかしいとは思う。
 
 送るか送らないか悩んでいると、返事がきた。
 
『私の隣には、海でスーツのおじさんがいますよ。目印になりませんかね?w』

 送られてきた文章を見てから、指の動きが止まった…。
 
 悩んでいた自分がバカらしくなる。
 
 送る文章は決まった…。
 
『それ…私です。』

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