飲みすぎ注意報 (Page 2)

 「は、あんた誰?」

 「やだあリコのこと忘れたの~~?」

 だめだ、完全に酔っぱらっている。
 かなり飲んだのかリコと名乗った女が息をするたびにむせかえるような酒の匂いがした。
 
 「いや俺あんたのこと知らないし、洋平じゃなくて洋二だから。部屋間違えてるよ」

 「どっちでもいい~~」

 「いやよくねえよ」

 なんとか正気に戻して家から出て行ってもらいたいのだが、リコは洋二の身体をがっしりとつかんで離そうとしなかった。

 「リコずっと洋平君に会いたくて会いたくて…家まで来ちゃった~~」

 へらへらと笑いながら洋二の身体にしがみつくリコ。
 どうしたものかと困ったが、嬉しそうに自分の身体にしがみつくリコの顔を見ていると他人とはいえ邪険に扱うのも気が引けた。
 はあ、とため息をついてから洋二はリコに話しかける。

 「わかったから、家に入れてやるからちょっと離れてくれ」

 リコは洋二の部屋の中に入ると、嬉しそうにベッドの上に寝転がった。
 玄関のカギを閉めてきた洋二に向かって満面の笑顔で「洋平君大好き」と笑いかける。
 明かりもつけずに玄関先に出たためよく見えていなかったが、あらためて部屋の中で見たリコはかなりの美人だった。
 服装から見てどこかの会社のOLという感じだが、明るく染められた髪に整った顔。細身の身体には似つかわしくない大きなふくらみが服の下からその存在感を主張していた。
 一言でいえば可愛い。
 そして巨乳だ。
 だが、酒臭い息とぐだぐだに酔っぱらった姿がすべてを台無しにしていたが。

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