王子の裏の顔 (Page 2)
ほんの3ヶ月前の自分には想像もできないような生活を、雄太は今送っている。
社内でも評判の美女である春日真理と初めてセックスしたのは1ヶ月半ほど前のことだが、それから今日までの6週間で彼女と交わった回数は10回を超える。
恋人として交際している訳ではないので、いわゆるセフレ関係ということになるのだが、恋愛経験が極端に少ない雄太にとってそれは初めての経験だった。
真理は雄太と同じ広報部の3年先輩で、華やかな顔立ちとスラリとした美しい肢体にいつも流行を押さえたメイクと服を纏っている。
まだ入社2年目の雄太にとっては、憧れても仕方ないほど遠い存在だった。
そんな真理と飲み会の帰りに偶然並んで歩いていた時、彼女は不機嫌だった。
「あー、つかまんない…」
後から聞いたところによると、この言葉はつまり「その夜会える男がつかまらない」という意味だったらしい。
真理は確かに社内で評判の美人だが、それと同時に男好きの遊び人であるとの噂も絶えなかった。
雄太はそんな噂を話半分で聞いていたが、考えてみればそれが本当だったということになる。
「もう王子でいっかぁ…」
そう呟いて、「ね?」と小首を傾げた真理が腕を絡めてきた時、雄太は混乱した。
真理は酔っていたが、雄太の鼻をついたのは柔らかい花の香りで、美人は酔っても酒臭くないんだななどと間の抜けたことを考えながら「春日さん?どうしたんですか」と声をかけた。
それからまともな説明もなくラブホテルに引っ張り込まれて、真理にリードされたまま一度セックスをした。
その一発で真理に気に入られたようで、それから何度も誘われるままに関係を持っている。
読みやすい!男性が不慣れでも優しくリードしてくれる姿がとても好きです
リリー さん 2022年12月9日