王子の裏の顔 (Page 7)
「あ、だめ…っ、あぁっ」
雄太は元来S気質ではないし、器用に言葉責めできるタイプでもない。
しかし震えながらよがってくれる栞が可愛らしく見えて、どうしても言葉にして伝えたくなったのだ。
「痛いですか?」
同じトーンで低く問いかけると、栞は首を振った。
「じゃぁ、続けますね」
雄太はぷっくり膨れたクリトリスを指の腹でくるくると撫でる。
とろとろの愛液がたっぷり絡んでいるため摩擦感はなく、滑るように撫でられ、弱く捏ねられると的確に快感だけが栞の体内に響いた。
「あぁぁっ…いぃ、すごぃ…んんっ、はぁん」
これまでに経験したことのない、痺れるような快感が下腹部から全体に広がって栞は大きく声をあげた。
気持ちよすぎて少し怖くなり、逃げるように身をよじるが脚を絡めて固定されているため動けない。
「だめ、あぁぁっ…それ、それ…っ、んぅぅ」
切なく苦しげでありながら、たまらなく興奮していることがわかる喘ぎ声だった。
雄太はペースを変えず、決して強くならないように指先に込める力加減を調整しながらクリトリスを撫で、ぬるぬると弱く擦り続けた。
「あっ…あ、だめだめ、んぁぁっ…はぁ、あっすごぃ」
栞は腰をふるふると震わせた。
クリトリスで絶頂しそうな予兆を見た雄太は、これも真理に仕込まれたことだが、指に力を加えずに動かすスピードだけを上げて細かく細かく刺激した。
「あぁっお願いもう…んぅ、はぁぁっ…だめ、あぁいぃぃぃっ」
ぷしゃあ、と潮を吹いて栞は絶頂した。
「あぁっ…あぁだめ、だめ、あぁぁっ」
恥ずかしさと絶頂の快感で全身ががくがくと震え、とめどなく声も溢れてしまう栞の身体を雄太はきゅっと抱きしめた。
栞の身体は熱を持っており、他人によってもたらされる初めての絶頂におどろいているようだ。
しがみつくように、栞もまた雄太の身体に抱きついている。
「栞、かわいい」
その時上から真理の声がして、2人は一瞬我に返った。
雄太がはっと上を見ると真理は洋服も着てすっかり身支度を整えた状態だった。
行為に夢中で2人とも、真理がすぐそばまで来ていることに気づかなかった。
「まり…?」
やや朦朧とした意識で、栞は真理に呼びかけた。
「じゃ、帰るね」
そう言うと、紅潮した栞の頬に真理は軽くキスをしてホテルの部屋を出て行った。
真理が行ってから2分ほどだろうか、雄太はただじっと栞を抱きしめて栞が落ち着くのを待った。
栞の震えが幾分落ち着き、息も少し整ったタイミングを見て雄太は栞の耳元で言った。
「イッちゃいました?」
栞はかっと耳を赤くした。
「やだ、そんな…恥ずかしい」
否定しようのない身体反応があったが、それでも口にするのは恥ずかしいようで、栞は涙声で答える。
読みやすい!男性が不慣れでも優しくリードしてくれる姿がとても好きです
リリー さん 2022年12月9日