パリの人助けと神のご褒美 (Page 3)
舌でなめまわし、ゆっくり掃除します。
ベッドサイドのほのかなスタンドの灯りで見ると、透明の粘液が糸を引き、白濁色の液も出ているようです。
くちびるを押し当て強く吸うと、彼女は両手でシーツをつかみ、顔をベッドに埋めて声を抑えているようです。
初めての男に、これ以上のよがり声は恥ずかしいのでしょうか。
指でクリトリスの表皮をむいて、左右にこすりました。
素早く、しかしあくまでもソフトに指を動かします。
ものの30秒もたたないうちに、断続的に声がもれます。
「あぁぁ、あぁぁ、あぁぁ」
ここで指の動きを早くしたり、力を入れたりしてはいけません。
同じスピードで、同じタッチでクリトリスへの愛撫を続けます。
「くぅぅ」といううめき声が止まりません。
私の手は流れ出る愛液で一杯です。
もう前技は十分です。
いよいよ挿入です。
ペニスの中心線を膣口にあわせ、後背位のスタイルでゆっくり沈めます。
付け根まで収まると、彼女は待ち切れなかったといわんばかりに、腰を突き出し、そのまま前後に強くスライドさせました。
男は、挿入直後が最も感じやすいものです。
「動かないで、じっとして」と言う間もなく、私は耐えられずに、射精してしまいました。
「しまった」
初めての相手に、三こすり半で終わるとは、なんたる失態でしょう。
しかし彼女は満足したらしく、じっとベッドに横たわり、余韻を楽しんでいるようです。
一度身体を合わせると、男女の仲は急速に縮まります。
彼女のパスポートが発行されるまでの1週間、私は毎日彼女の身体を楽しませてもらいました。
人助けに対する、神のご褒美に違いないと思うのです。
(了)
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