次はあなたがシャッターを (Page 5)
暁紀の背後で地位音が弾ける。
慌てる素振りもなく、暁紀はゆったりと首を巡らせた。その表情には余裕すらあるが、瞳にはある種狂的な光が宿っている。
「また……、会えたわね」
ねっとりした淫欲が絡みついた声音で、彼女は告げた。
振り返った暁紀の視線の先にいたのは、例のSDカードを渡してきた青年だった。今はあの時と違い、カメラを首から下げている。
椅子から秋は立ち上がる。膝の上に乗っていたスケッチブックが地面歩へと落ちて、音を立てた。その音に小動物にように怯え、青年が方を縮こまらせる。その様子と細い輪郭が合わさると、中性的な印象がより強まる。
金縛りにあったかのように動けない青年の首へ暁紀はゆっくりと、蛇のように腕を巻き付け、彼の首から下がっているカメラを脇へと回す。
発情して紅潮した頬を寄せて暁紀は言う。
「奈央 (なお)君」
「えっ」
青年が驚いたような声を発する。
それが可笑しく、暁紀は彼の耳元でしっとりと笑う。
「調べたの。私の教えてきた子に、あなたみたいな子がいたかしらって」
「……先生」
「そう。そうやって私のことを先生って呼んでくれたでしょ? だから昔の名簿と写真で調べたの」
名簿には氏名だけでなく、電話番号や住所もしっかりと記録してあった。本来であれば個人情報を絵画教室の運営以外に、しかも対象が辞めた後に利用することは許されない。法的にも職業倫理的にも決してやってはいけないことだ。
だが、暁紀は躊躇いなく、情報を利用した。
奈央の住まいの近くへ行き、彼の行動範囲を丹念に調べ上げたのである。
自分にこのようなストーカー的性質があるとは考えたことすらなかったが、かなりのスリルを味わえたことは確かだ。
だが、まだだ。
足りない。
舌なめずりをして、暁紀はかつての教え子へ囁く。
「私も、あなたの秘密を貰うことにしたの。そうでなければ、不公平でしょう?」
「そんな、僕は、誰にも言いません」
ぬろりと暁紀の舌先が奈央の耳孔へと忍び込む。
「ひぃっ」
悲鳴を上げた彼のことなど構わず、暁紀は外耳もたっぷりと舐め回す。さらに奈央の首に回していた腕を解放し、彼の胸元へと伸ばした。
「あぁぅ」
今度は悲鳴ではなく、喘ぎ声が奈央の口から飛び出す。
「ふふふっ、女の子みたいに啼くのね」
「先生、やめ、てください」
「どうして、こんなに気持ちよさそうなのに」
「あぁ」
がちがちに勃起した奈央の男根を、暁紀は先程自分にしていたようにズボン越しに愛撫する。かりかりと爪で先端辺りを強く刺激すると、彼の腰が逃げた。それを許さず、暁紀は乳首を抓る。
「いぃっ」
「痛い? あなたが逃げるからよ。そう、いい子ね。腰を前に出して」
唾液塗れの耳元へ囁かれ、茫洋として目で奈央は腰を前に突き出す。パンパンにズボンの前を張り出させ、彼は耳、乳首、性器を性感責めされる。
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