次はあなたがシャッターを (Page 8)

「奈央君、入れていいわよ」
　下着をずらし、愛液と唾液でびしゃびしゃになった陰部を晒し、暁紀は男を誘う。膣口がひくついて男が身の裡に侵入してくるのを心待ちにしていた。

　ぴたり、と肉棒の先端が膣の入り口にあてがわれる。数度上下に擦られ、愛液を塗された男根が膣肉を割り、強烈な圧迫感を伴って奥へ奥へと進軍した。肉槍で刺し貫き、肉襞を押し退けて本丸たる子宮を痛烈に殴打する。

　秘所中の秘所を揺らされ、暁紀は再び呆気なく法悦の頂きへ辿り着く。絶頂へ至った膣は単純に締め付けるのではなく、ぐねぐねと媚肉が蠢いて男根を逃さない。肉杭を奥へ突き立てれば奥へと誘い込み、引き抜こうとすれば雁首に媚肉が引っかかる。その肉体の自律的動きは暁紀と奈央双方にとって凄まじい快楽となっていた。

「ひっ、ああっ」
「おぉ、うぁ」
　二人揃って言葉を成すことすらできず、獣じみた歓びの嗚咽を零すことしかできない。

　肉の打ち合う音が淫水の滴る音を伴奏に森に響く。
　いつ、誰が現れてもおかしくない状況で、暁紀どころか奈央ですら忘我の内に肉欲だけをも求める。理性を半ば失いクライマックスへ向けて、ひたすら突き進む。

　線の細い中性的な青年だった奈央が今や獣相を露わに、雌を孕ませるための行為に没頭している。ひたすら腰を打ち付ける若い雄の勢い。それに夫とのセックスでは決して満たされない部分へ、得も言われぬ淫楽が注がれていくのをありありと暁紀は感じ取っている。
　だが、熱された鉄杭の如き肉棒の打撃だけでは、その空隙は埋め得ない。だからこそ、最後の一滴を暁紀は待ち受ける。

　絶頂の余韻を感じる間もなく、次々と押し上げられる頂きから、墜落する瞬間を一人の女として暁紀は待ち侘びた。

「ああ、先生、出したいっ、出させてくださいぃ」
　健気に自分の言いつけを守っていた生徒の懇願をうっとりと聞き入れ、彼女は自ら初めて腰を奈央に向かって押し出す。自分が意図していなかったタイミングで快感が与えられ、奈央の中の均衡が崩れた。

　深く。深く彼の肉棒が暁紀の膣奥を穿つ。
　子宮が揺れ、若い頃にたっぷりと開発された部位が久方ぶりに絶頂を許された。

「あああああ！」

　長々と愉悦の啼き声を上げ、暁紀は目の前が白む暴力的な性感の頂きから堕ちる。かくかくと膝が笑い、股間からは潮がしぶいた。
「お、おおぉぉぉ……」
　歯を食いしばって意識を保つが、それでも白んだ視界の中でチラチラと火花が散る。四肢をピンと突っ張り、小刻みに柔らかく張りのある尻肉や内腿を痙攣させ、どこまでも堕ちていくような快楽を暁紀は誰に憚ることなく享受した。

　懐かしい感覚だ。
　忘れたと思っていた愛ではなく、肉欲に理性まで鷲掴みにされて揺さぶられるような絶頂。さらに不貞という新たなエッセンスまで、添えて楽しめた。