次はあなたがシャッターを (Page 9)
「う、くぅっ」
暁紀の背後で呻きながら奈央が交代する。当然ながら彼女の中から男根が引き抜かれ、たらりと一筋の白濁液が糸を引いて零れた。
連続で射精させられ、かなり疲弊したらしく奈央の紅潮した顔は少しばかり虚ろになっている。
それを見た暁紀は彼が首から提げているカメラに手を伸ばした。カメラに暁紀は微かながら見覚えがある。
かつて関係を持っていた男、例の写真に一緒に映っていた人物の持ち物だった。
奈央とは縁もゆかりもないはずの男だったので、恐らく中古品として売り飛ばし、巡り巡って奈央の元へ辿り着いたのだろう。
奇妙な偶然だ。
あの男がずぼらでSDカードを抜かなかった、あるいは中身を消去せずに売り、それを奈央が手にして中身をチェックした。
夫との愛情深いセックスでは満たせない空隙。そこへ放り込む生け贄の羊が贈られてきたかのようだ。
淫靡に微笑み、暁紀はシャッターを切る。
写真の出来栄えになど、さほど興味はない。
「次はあなたがシャッターを切って」
奈央はのろのろとカメラを暁紀から受け取り、シャッターを切る。
ファインダーの向こうで暁紀は美しく淫靡に微笑むのだった。
(了)
レビューを書く