未亡人のセフレ

・作

夫を亡くして5年、川島瞳はパート先のスーパーで一緒に働く社員である三浦健司と関係を持ってしまった。5年間他の異性と接触してこなかった瞳にとって、健司との関係はそれに溺れてしまうほど刺激の強いものだった。そして今夜も、健司に誘われて瞳はホテルに行った。夫とのセックスでは経験しなかったようなことを様々に教えてくれる健司との行為に、瞳は我を忘れて乱れてしまう…

「今晩、どうですか」

パート先のスーパーで、すれ違い様に耳元で声をかけられて川島瞳はびくりと身体をこわばらせた。

声をかけてきたのはスーパーの社員である三浦健司という男だ。
背が高くがっしりした体型で、元々スポーツマンだったことをうかがわせる溌剌とした言動でパートの主婦連中からはそれなりに好かれている。

この男とそういう関係になってしまったのは、ほんの1ヶ月ほど前のことだ。
1人の社員の異動をうけての送別会にパートも全員参加した夜、久しぶりの酒に酔いつぶれて気がついたらラブホテルのベッドの上だった。
夫が死んでから、一度も他の異性と交わったことはなかったのに、意識もないままその一線を越えたことに瞳は自分でも慄いた。

 

 

瞳は夫が亡くなった5年前から、このスーパーで働いている。
自分ひとりの口を賄うためなら、保険金などでなんとかやりくりはできた。しかしこれからの人生をずっと1人で生きていくのかと思うと将来が不安になり、働きたいと思ったのだった。

健司は3年前に瞳が働く店舗に異動してきた社員だ。
その時まだ20代だった瞳より年は少し上だったが、健司の人懐こい性格もあってか瞳は健司にすぐ心を開いた。
それでも社員とパートの線引きをして距離感を持った付き合い方ができていると瞳は思っていた。

まさかこんなにも、自分の女の部分を呼び起こされてしまうとは想像してもいなかったのだ。

 

 

仕事の後、郊外のホテルで落ち合った2人は、部屋に入るなり身体を密着させてキスをし始めた。

「んっ…ふぅ…っ」

唇を開いて互いに舌を絡ませ始めると、瞳はすぐに甘い吐息を漏らす。
くちゅくちゅと音をたてながら、キスを深めていく。
健司の舌はそれ自体が生きているかのように瞳の口の中を蠢いた。上顎をなぞり、瞳の舌を潰すように舐ると瞳は苦しげに顔をしかめる。

「ぅんっ…はぁ」

ゆっくり唇を離すと、健司は唇の右側だけをくいっと上げて笑い、面白そうに問いかけた。

「すげーエロいっすね…やっぱ溜まってました?」

「…そんな、言わないで…」

20代後半から30代に入る時期、女として最も盛りの時期を男と触れずに過ごした瞳にとって、同年代の男とのセックスは強烈な刺激だった。
我慢した時間が長かった分、欲望が弾けて止めることができなくなっていたのだ。

キスをしながらもどかしげに、焦るようにして2人は互いの洋服を脱がせあった。

「お風呂一緒に入りません?」

健司が瞳の耳元で囁いて、首筋にちゅうっと吸い付いた。

「ぁんっ…ん、はい…」

瞳は恥ずかしそうに俯いて、承諾した。
恥ずかしさも快感に変えて、乱れてしまえば自分の中の罪悪感も薄れるだろうと思った。

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