幽霊の弱点はエロいこと！？ (Page 7)

　ガッツポーズを決める隼人へ馬鹿を見る目を向けつつも、綾瀬は横向きになる。互いの性器の方へと頭を向けた、いわゆるシックスナインという体位だ。
　
　隼人は丹念に太腿から性器まで舌を這わせる。人肌というのはどんな食べ物の温度とも似ていない。そんなことを考えながら、陰毛を掻き分け、陰唇と口付けた。しっとりと蜜を滴らせたそこへ舌先を割り込ませ、存在を主張し始めた陰核を弄ぶ。すると綾瀬の腰が甘く痺れて、さらに蜜が溢れ、膣口がひくひくと口を開ける。
　
　一方の綾瀬は手で軽く男根全体を撫でていた。
　羽毛でくすぐるような繊細な指先で鼠径部や睾丸、そして陰茎を撫でられるとゾクゾクした快感が背筋をじわじわと昇って隼人の脳味噌に到達する。
　
　性感を与えるたびにひくひくと陰茎が動く。そして、鈴口から透明な先走りが溢れ出す。
　綾瀬は竿全体を手で扱き、鈴口までを口に含んだ。ねっとりした吸い付きでゆっくりと性感を与える。さらに尿道を舌先で刺激すると、ぷくりと鈴口が膨れた。
　
「出る」
　短くそれだけ言って、隼人はあっけなく彼女の口の中へ吐精する。
「早くない？」
　言葉に笑みの気配が混じった。
　
　こう言ってやれば萎えると、綾瀬は踏んだのである。
「もしかして、飲んだ？」
「飲んじゃったよ。あんたが急に出すから。先にちゃんと言えよな」
　口に出されて嬉しい女なんかいないと言い放ち、綾瀬は体を起こした。
「マナーってもんがあるでしょうが」
「なんか、すいません」

　同じく隼人もベッドに座って謝る。だが、言葉とは裏腹に彼のイチモツは全く反省していなかった。むしろ先程よりも角度を鋭くし、血管が浮き上がっている。
　
「えっ、なにそれ」
「久しぶりで全然萎えなくて」
「ヤリた過ぎだろ」
「ふふ、体は正直だな」
「あんたが言うんかい」
「ここまできたら、最後までしたいなー、なんて」

　恐縮した風に頭なんぞ掻きつつ、隼人はずいと膝を綾瀬に向かって進める。
　
「ああ、もう。はいはい。分かりましたよ」
「よっしゃ！」
「いや、もう、反応がワンパターンじゃん」
「理性は失いがちだから」
「だから、自分で言うなよ。はい、ゴム着けてよ」
「はいよ」

　差し出されたコンドームをしっかりと装着し、隼人は綾瀬に顔を近づける。間近になると、やはり甘い匂いがした。これは彼女の体臭なのか、あるいは香水の類なのか。そんなことは隼人には分からない。
　だが、この匂いは隼人を間違いなく興奮させる。
　
　柔らかな肌の感触も、自分のものではない体温も。
　綾瀬の体のあらゆる構成要素が、隼人をどうしようもなく昂らせるのだ。