雪の夜、年下の彼に弄られる
私、斎藤富士子には年下の可愛い彼氏がいる。でも、普段は年上ということもあってどうしても彼を子供扱いしてしまうの。どうやら彼はそのことを気にしているみたいで、ついに彼のエスコートで旅行に行くことになったわ。そして冬のある一日、雪の温泉宿で、私は彼に徹底的にイカされてしまうのでした。
ある冬の日、私、斎藤富士子はお付き合いしている年下の彼に誘われて、日本海側の古都の観光に出かけた。
いつもだったら、私がプランを立て、完璧なエスコートをするのだけど――。
「富士子さん、今日は僕が貴女を満足させますよ」
と彼が言うので、今日は全てお任せの旅だった。
どうやらいつも私にリードされっぱなしなのを気に病んでいたらしい。
そんな若い男の子らしいプライドが愛おしかった。
「あっ、雪……」
「本当ですね」
武家屋敷を見学してから外に出ると、街は一面の銀世界へと変化していた。
寒さに体を震わせると、彼は私の手を取って自分のコートのポケットに入れる。
「これで少しは暖かい?」
「そうね、ありがと」
彼と寄り添いながら、まだ綺麗なままの雪の絨毯の上を歩いて行く。
二人の足跡が残っていくのが、ちょっとしたことだけれど嬉しかった。
彼は雪が降ることも想定済みだったのだろう。
特に慌てることなく、本日のお宿の方へ足を向けた。
「へえ、なかなか良いお宿ね」
こぢんまりしているが、趣があって良い温泉旅館だった。
仲居さんに部屋の入り口まで案内されたところで、彼はそれ以上の案内を断って私の腰に手を回した。
「あら? 今日はどこまでもエスコートしてもらえるのかしら?」
「そうですね、富士子さんが望むところまで、かな?」
「ふふふっ」
部屋に入るなり、彼は後ろから私を抱きしめてきた。
それに応えるように、私は後ろ手に彼の首筋へと伸ばし、セットされた髪を撫でる。
「それにしても……、今日はなかなか強引ね」
「そうかも、……しれませんね」
私は彼と正対すると、私は甘えるように頬と頬をこすり合わせる。
ぐりぐりとまるで猫が甘えるような仕草だった。
それはきっと彼も望んでいるはずだ。
「今日は少し甘えんぼさんですか?」
「あっ」
彼の指が私の耳に伸びる。
声を掛けられながら弄られるのは、とても心地良かった。
「んんっ……、もぉ……」
彼の指は耳から首筋へと降り、私の体を優しく撫でていく。
肩を、腰を、背中を優しく彼の手が通り過ぎる。
それはそれで気持ちいけど、物足りないのも事実だ。
私は合わせていた胸を少しだけ離して、彼を見上げた。
「君のエスコートはそれだけなのかしら?」
彼の瞳に映った私の顔は少し上気していた。
唇を突き出すようにして、挑発的な視線を彼に送る。
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