アナザーバトル (Page 2)

 香織の右手を覆う電光が強まる。
 男たちは香織を敵と見なし、攻撃を放つ。
 ただの攻撃ではない。特殊な力による攻撃だ。
 火炎の塊や目に見えない衝撃波、光線などが香織に向かって飛ぶ。
 香織は飛んできた火炎や衝撃波などをヒョイヒョイと避ける。
 男たちの攻撃は、香織にかすりもしない。

「お返しよ!」

 香織は放電している右手を突き出す。
 電光が手のひらから飛ぶ。
 1本の電光ではない。多数の電光。
 それが男たちに向かって飛ぶ。

「うおっ! あぶなっ!」

 電光をどうにか避けることができた男もいるが、直撃を受けてしまった男もいる。
 青白い電光の直撃を受けた男たちは吹き飛び、路面に落ち、意識を失う。
 距離を空けての戦いは不利と見たのか、どうにか電光を避けることができて無事だった男の1人がナイフを手にする。
 そして香織との距離を縮めた。
 男はナイフを突き出す。
 刃は香織を突き刺す……男はそう思った。
 だが、それは間違いであった。
 香織の両手が、男のナイフを持つ手を掴んだ……かと思った直後、彼女は男の足元を払う。
 男の視界が上下反転する。ナイフを突き出した男は、一瞬で頭を下にされていた。
 香織の手によって、男はアスファルトの路面にいやというほど背中を叩きつけられる。

「悪いけど私、能力頼りってわけじゃないのよ」

 男は香織のその言葉を聞いていない。
 背中を路面に叩きつけられ、気を失っていた。
 特殊な力による攻撃も、ナイフを使った攻撃も香織には効かない。
 逃げた方が得策……残った男たちはそう思い、香織に背中を向けて逃げだす。

「逃がさない!」

 しかし、男たちは逃げることができなかった。
 香織が放った電撃が男たちを追い、背中に当たる。
 逃げようと思った男たちは悲鳴を上げ、倒れていく。
 倒れ、そのまま意識を失う。

「はい、終了っと」

 もう動く男たちがいないのを確認すると、香織は右手から電光を消した。

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