青い薔薇の剪定者は昔日の面影を纏う (Page 5)

「睦実」

　もう一度呼びかけた。

　ぴくんと彼女の肩が震える。怯えたのではない。頬が風呂の熱のせいだけでなく紅潮し始めている。

　髪を撫で、耳元で名前を呼ぶ。それは二人にとって夫婦の営みを誘うものだ。

　開いている手で風呂の湯を割り、彼は睦実の乳房に触れた。まだ若々しく張りのある肌だ。下部からくすぐるように掌から指先まで使って撫でる。

「んぅ……」

　髪を撫でていた手を背中側にゆるゆると下ろす。背骨に添うように指の腹で性感を与えていく。そのまま腰へ至り、臀部を指先で押す。すると睦実が答えるように腰を上げた。

「こちらも好きだろう？」

「はい」

　そろりそろりと菊門を刺激してやる。

「んくぅっ。はっ、はっ。ひぃっ」

　ぐうっと指先を第一関節まで菊門に埋める。開発されていたそこは抵抗なく指を飲み込む。

「んぉあ」

　肛門を貫かれる快感に口を開き、睦実は首を仰け反らした。隙だからけになった陰部へもう一方の手を差し込み、責め立てる。湯とは違うぬめりが指に触れた。外陰を責めるようなことはせず、一気に二本指を挿入してしまう。

「いぎぃっ」

　前後の淫穴を同時に責められ、睦実が肩にしな垂れかかる。激しく乱暴に彼女の性的スポットを刺激した。

「イキたいのか、睦実」

「イキたいっ、イキたいのっ、イク、イくぅ」

　かくかくと腰を震わせ、睦実は言葉通り絶頂する。ぎゅと前後の穴が指を締め付けた。蠢動を繰り返し、挿入された指が男性器であるかのように逃がすまいとしている。

　びくびくと全身を手淫による絶頂の余韻で震わせている睦実を抱き上げ、彼は脱衣所へと歩き出す。

「そのままで大丈夫。私を信じておくれ」

　こくんと幼子のような仕草で睦実は頷いた。そして、火照った頬を胸板へ当てる。

　脱衣所まで来ると、睦実の全身をタオルで丹念に拭く。そして、彼女が持ってきていた浴衣の帯を幾重にも巻いて、簡易的な目隠しとする。

「俊和さん、これ……」

　前を閉じられない浴衣を羽織らせ、手を引いてゆっくりと歩き出す。

　不安げでおぼつかない足取りの睦実の股間へと不意打ちに手を伸ばす。そこはお漏らしでもしたかのように濡れそぼっている。

「おや？　さっき拭いたばかりなのに、もう濡れているね」

「それは……やぁっ、そこは、敏感になってるから」

　かちかちに勃起した陰核を指先ではじいてやると睦実の膝が笑う。

「あまり騒いではだめだよ。俊倫が起きてしまう」

　ひっと喉の奥で睦実は悲鳴を漏らした。そして、すぐさま自分の両手を口元にもっていく。それを見ながら彼は、秘裂から溢れる蜜を前後の淫穴へと濡れたくる。ローションとして十分な分量を塗布し、それぞれの穴へ指を挿入した。前後の穴は貪欲に彼の指を飲み、奥へと導く。

「凄いな、君のここは。こんなに欲しがっている」

「おくっ、おぉっ、ひぁっ、それすごっ、むりぃ」

　ぱたぱたと音を立てて淫水が睦実の足元に零れ落ちた。

「静かにしなさい。俊倫が起きてしまう」

「ご、ごめんなさい。俊和さん、でも、でもぉ」