美貌の叔母はS痴女だった
大学生の吉川亘は、東京に出て就活をするために叔父の家に居候させてもらっていた。叔父の三島英夫は亘の母の歳の離れた弟で、亘は子供の頃から兄のように英夫を慕っていた。居候中のある夜、亘は偶然英夫と妻の明菜とのセックスを目撃してしまう。憧れていた兄のような存在がそこで見せたのは、妻に跨られて気持ちよさそうに声を漏らす姿だった。亘はセックスは男がリードするものだと思い込んでいたが、女性上位のセックスに興味が湧いて…
吉川亘は途方に暮れていた。
叔父の家に短期間居候して就職活動に励むことを許してもらった時、もしかしたらこういうことも起きるかもしれないと吉川亘は少し予想はしていた。
しかし予想していたほど現実は甘くなかった。
もともとベッドだけを置いていた客間に簡易のデスクと椅子を置いてもらい、勉強や作業もできるようにしてもらった部屋のそのデスクに向かって亘は頭を抱えた。
本来ならしなければならないことがあるはずなのに、昨夜の記憶があまりに強烈で亘はエントリーシートに向かう作業に全く集中できずにいるのだった。
亘は昨夜、叔父とその妻のセックスを目撃してしまったのだ。
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亘の母親には、歳の離れた弟がいた。
それが亘の叔父である三島英夫だ。
叔父といっても母と年齢が離れた英夫は亘との方が年齢が近く、亘は英夫を「ヒデ兄ちゃん」と呼んで慕っていた。
英夫も亘を可愛がり、2人は叔父と甥っ子というより本当の兄弟のように仲の良い関係を築いていた。
そんな英夫が就職して東京に出たのが5年前、結婚したのが1年前のことだ。
亘は、地元の大学から東京の大手企業への就職を決めた英夫のように自分も東京で就職したいと考えていた。
どうにか両親を説得して、東京にしばらく滞在しての就職活動を許してもらった亘を迎え入れてくれたのが、英夫とその妻の明菜だった。
まだ新婚と呼んでいい2人だったが、亘1人の居候を受け入れるくらいの余裕はある間取りのマンションに住んでいる。
英夫の収入も十分だが、聞けば明菜も在宅である程度の収入を得ているとのことだ。
「自分の家だと思って、家のもんは好きに使っていいからな」
昔から変わらない、朗らかな笑顔を見せて英夫は亘に言った。
隣にいた妻の明菜も優しく微笑んでいた。
亘は結婚式で見た時から明菜のことを美人だとは思っていたが、普段着で自分を迎え入れてくれた飾り気のない姿もまた美しく、更に知的な印象があって、まさに「高嶺の花」というべき女性だった。
憧れるのも烏滸がましいと思えるような気品のある女性を妻とした英夫を改めて亘は尊敬し、慣れない女性との同居にはやや緊張しながらも改めて真剣に就職活動をしようと心を引き締めていたのだ。
そう、確かにこの時は。
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