ビッチな先輩の企み (Page 3)
早紀の部屋は広めの1DKで、確かにベッドの横に十分布団を敷くことができるスペースがあった。
入った瞬間に大樹の鼻腔を刺激した官能的な花の香りは、早紀が好んで使っているルームフレグランスだ。
いかにも女性の部屋といった香りに、大樹は心臓がどきどきと鳴るのを抑えることができない。
「座ってて」
早紀はそう言うと、ベッド脇においてある広めの座椅子型のソファーに大樹を座らせ、部屋の暖房とテレビをつけた。
「上着、これに」
ハンガーを大樹に渡して、早紀も自分の上着を脱いでハンガーにかけた。
そしてもそもそと上着を脱いでいる大樹を部屋に残して、自分は脱衣所に入った。
脱衣所でルームウェアに着替え、大樹の分のスウェットを持って脱衣所を出ると、ソファーに座っていた大樹が振り向いた。
「スウェット、着替えな?」
早紀のルームウェア姿を見て、大樹は息を呑んだ。
ノーブラに黒いタンクトップ、その上に大きめのスウェットパーカーを着て、下はゆるめのスウェットパンツをはいていた。
職場ではかっちりとしたシャツにパンツスタイルが多い早紀はスレンダーな印象だったが、実は豊かな乳房を職場では押さえて隠していたのだということがわかった。
「私普段家ではメンズ着るから、私のだけど…多分尾形くんなら入ると思うよ?」
渡された男物のスウェットをまじまじと見つめる大樹の考えを先読みするように、早紀は笑って言う。
「あ、え、いいんですか」
自分の家着を男物にしておくと、それを着て男を誘惑するのにも、急に泊まることになった相手に貸すのにも使えて便利なのだ。
これは早紀のいつもの手だった。
早紀が笑って頷くと、大樹はその場でネクタイを緩め始めた。
「ははっ、ここで着替える?」
どぎまぎして、別室で着替えるべきだということが頭から抜けてしまっている大樹を見て、早紀は思わず吹き出した。
「え?あ、そうか、すみませんえっと…」
おろおろと立ち上がった大樹が、いかにも慣れていないという感じで可愛らしく思え、早紀は興奮が高まるのを感じた。
もう少し様子をみてもいいがやってしまおう。
ここ2週間ほどセックスをしておらず、欲求不満だったことも手伝って早紀は決めた。
「いいよ、ここで着替えて」
早紀は大樹の正面に立って、大樹の顔を見つめながらぐっと身体を近づけた。
大樹は顔を赤くしている。
「え」
半分緩んだネクタイに手をかけて、早紀はしゅるしゅるとそれを解いた。
「先輩…?」
「脱がせてあげる」
少し背伸びをした早紀が大樹の耳元に唇を寄せて、囁くように言った。
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