僕と妹の灼熱(あつ)い夏休み

・作

僕の名は徹也(てつや)。都内の私立大学に通っている大学生である。大学に入ってからは夏休みにしか帰省しておらず、1年ぶりの帰省で妹の舞華(まいか)と再開した。色白で可愛い舞華なのだが、僕らの両親は再婚で、実は僕と舞華は血の繋がってない兄妹なのだ――

 僕は田舎道をバスに揺られていた。1年ぶりに通る道だ。僕の名は徹也(てつや)。都内の私立大学に通っている。大学に入ってからは夏休みにしか帰省していないから、1年ぶりの帰省なのである。

「次は一里塚、一里塚です」

 僕は降車ボタンを押した。車窓に目をやると、夏期講習だろうか? 部活だろうか? 女子校生たちが談笑しながら歩いていた。

 バスがバス停に滑りこんだ。

「お兄ちゃん!」

 バスを降りる僕の姿にそう声をかける、1人のセーラー服姿の少女がいた。僕の妹・舞華(まいか)だ。今年で2年生になった。1年ぶりに会う舞華は、少し大人びていた。

「お兄ちゃん、久しぶりだね! 元気にしてた?」

「ああ、元気だよ。舞華は?」

「うん! あたしも元気にしてた!」

 元々色白な舞華だが、夏休みの部活の練習でだろうか? かすかに日焼けしていた。

「舞華は、これから家に帰るのか?」

「うん! 学校の帰りに、お兄ちゃんを待ってたの!」

 舞華は目を細くして笑うと、ピョンと僕の腕に絡みついてきた。

「コラ! 舞華! 恥ずかしいじゃないか!」

 僕は舞華の腕を振りほどこうとしたが、舞華は意に介さず、

「いいじゃないの、お兄ちゃん!」

と言って、僕の腕にしがみついてきた。と、舞華の胸に僕の肘が当たった。1年前よりも豊かになった胸は、とても柔らかかった。僕は思わず顔が赤くなり、そして下半身にモゾモゾするものを感じた。舞華はその様子を見て、少しだけ不思議そうにしていたが、すぐに

「お兄ちゃん! お家に帰ろう!」

と言って、僕の腕を引っ張って歩き始めた。

*****

 チリン、チリーーーン♪

 縁側の風鈴が鳴った。舞華が麦茶を持ってきながら言った。

「お兄ちゃん、どのぐらい家にいるの?」
「うん、1週間ぐらいかな?」

「え~っ? そんなに短いの?」

 舞華はブー垂れた。

「夏休み中もゼミがあるからな。あまりのんびりもしてられないんだよ」

「そっか~。お兄ちゃんも大変なんだね?」

 チリン、チリーーーン♪

 しばしの間、静寂が流れた。その静寂を破ったのは、舞華のほうだった。

「そう言えば、お兄ちゃんがこの家に来たのも、この季節だったわね?」

「ああ。そう言えばそうだね?」

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