シガレットキス (Page 6)
自分と加藤の性器を擦り合わせ、彼女は次第に吐息の温度を上げていく。頬も紅潮し、女の割れ目にも蜜が潤う。
「んっく、うぅん」
腰を沈め、膣へと男性器を呑み込み、小野島が艶めいた声を出す。最初は浅い所でゆっくりと他人同士の肉を馴染ませ、ゆるゆると奥へ肉槍を収めていった。そして、すっかりと男を呑み込み、小野島は前後左右へ腰を蠢かし始める。
「おっ、あ、あ、はぁ、んん、気持ちいい」
上下運動ではなく、ぐりぐりと小野島は自分好みの場所へ押し当てることが好きらしい。
腰をくねくねと動かし、自分の上で快感を貪っている女をじっと加藤は見つめる。
「もしかして、あたしだけ気持ちいいの?」
「そんなことないけど」
「だって、醒めた顔してるから」
「気持ちいいよ」
「……」
興奮で紅潮した顔を不満そうにして小野島は腰の動きを激しくする。前後に腰を振り、膣内を締め付けて加藤を射精させようと奮闘した。
「無理、疲れた」
「だろうな」
自分に向かって倒れ込んできた小野島の背を抱き、加藤は苦笑する。細い背中を腕の中に捕らえ、彼は少し考え込む。
「どうしたの?」
「動いていい?」
「……いいよ」
了承を得られたところで加藤は背中へ回していた腕を緩め、小野島の尻肉を掴んだ。それから最大限に腰を上下に激しく動かす。水音と肉のぶつかる音が重なり、もどかしかった快感が一気に強くなる。
「……っ!」
上下のピストン運動で肉杭を膣奥へと何度も穿たれ、小野島の背が反った。白い喉を晒して彼女は声も出せずに媚肉で加藤のものを締め付けて応える。愛液が白濁して肉棒に絡みつき、淫臭が煙草と汗の匂いと混ざった。
加藤の性感の高まりとともに男根も硬さを増す。
「ひっ、凄いとこ、当たってるよ、先生、も、あたし、そろそろっ。ああぁ、無理、我慢できないっ」
切羽詰まった声で啼き、小野島の股間から潮が吹いた。今までにない強さで膣が締まり、加藤の肉棒を咥え込む。そして、締め付けるだけでなく妖しく蠢いて、睾丸で待機していた精子を解き放てと催促してきた。
膣奥へ欲望のまま射精してしまう寸前で加藤は自分のものを引き抜き、小野島の尻を精液で汚す。
汗ばんだ体を重ねて二人は息が整うのを待つ。
「ねえ、先生」
「うん?」
「あたしのことも撮ってよ。映像関係の仕事してるんでしょ?」
「今は無職だよ」
「じゃあ、暇でしょ。いいじゃん」
「……先生って呼ぶの、やめたらな」
少女の面影が見当たらない小野島の顔の輪郭を撫で、加藤は答えた。
ホームシアターが気付けば消灯し、リビングは暗く沈んでいる。
それでも加藤の闇に慣れた目には、小野島の顔がうっすらと見えていた。
いつの間にかエンドロールは終わっている。
(了)
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