出会いは、寂寞から (Page 3)
ホテルを出てマンションに戻っても、私の下半身はまだ先ほどの余韻に浸っていた。
私があまりにも恍惚の表情を浮かべていたからか、彼は少しだけ笑うと、額にそっとキスをする。
目を瞑った時、インターホンが何度も鳴るのが聞こえた。
私が怯えて彼のシャツを掴むと、牧人さんは安心させるように「大丈夫だから」と囁く。
彼がチェーン越しにドアを少しだけ開けると、血相を変えた若い男が立っていた。
私の、結婚するはずだった男だ。
「心美、どうしてこんなところにいるんだ。帰るぞ」
男は血走った目で私を見据え、低く唸るような声でそう言う。
「嫌、私はもう…」
「お前は、こんな奴と一緒にいちゃいけないんだ!」
私の声を遮って、男が怒鳴る。牧人さんは冷静さを失わない凛とした声で、たった一言
「帰れ」
と告げた。
男はチェーンの下から牧人さんに掴みかかろうとしたが、彼は怒りなど含んでいない声でさらに続ける。
「お前は、心美に何をしたのか忘れたのか。あんな形で裏切っておいて、今さら彼女の気持ちはお前には戻らない」
「だけど、俺はやっぱり心美だけで…」
「俺と心美は今日、入籍した。もう、夫婦なんだ」
その言葉で、男の顔色が一気に失われていく。まるで、化け物でも見るかのような視線を、私たちに投げつける。
「俺はお前を恨まない。もう終わったことだ。だから、帰れ。お前はお前で、幸せになれ」
「本気なのかよ、親父!」
男が再び怒鳴り、私は驚いて牧人さんの後ろに隠れる。
「この通り、彼女はお前に怯えている。だから、今日はもう家へ帰って頭を冷やせ」
男は俯くと、無言のまま立ち去った。私は心底ホッとして、牧人さんの胸に飛び込む。
「すまない。怖い思いをさせたね」
私は首を強く横に振ると、貪るように彼にキスをした。
そのままベッドになだれ込み、彼のベルトのバックルを外して、大きなモノを口に含む。
レビューを書く