不思議な玩具を使って地味なOLを弄んでみた (Page 2)

「やっぱり、座りますか?」

「あ、い、いえ。つ、次で降り、ますから」

 彼女は真っ赤に染まった顔を逸らして呟くように答えた。

 そんな彼女の様子をじっくりと観察したあと、指の動きを再開する。

 2本の指を第一関節辺りまで交互に出し入れすると、鞄の中で僅かに水音が響く。

 ちゅぷちゅちゅちゅぴっ、ちゅぶちゅぶちゅちゅちゅ!

「ん、んん、ん、ん、ん、ん、んふうっ!」

 指の動きに合わせるように、彼女の喉から艶のある鳴き声が漏れ、目の前の膝がガクガクと揺れ始めた。

 目をギュッと閉じた美沙の顔は真っ赤で、額には汗が浮かんでいる。

 俺は慌てて立ち上がり、そのまま彼女の手をとった。

「ん、んはあっ。……ありがとう、ございます」

 素直に座った彼女は、肩で息をしつつ頭を下げ、なにか言いたげに俺を見上げる。

 入れ替わる瞬間に鼻孔を擽った匂いに鼓動が早まっていたが、俺は何気ない風を装って彼女の前に立って笑顔を作った。

「まあ、すぐ着きますけど。しんどそうなんで、座ってて下さい」

 原因は自分にあることを知りつつ、俺は親切心を装う。

 複雑な表情をしつつ黙って頷いた彼女の手は膝の上でギュッと握りしめられ、僅かに震えている。

 電車が駅に到着し、彼女の隣のサラリーマンが立ち上がった。

 人混みが動き出し、流れるように電車を降りていく。美沙も、いつもならここで乗り換えるはずだ。

「立てますか?」

 俺が手を差し出すと、彼女はその腕を掴み、思った以上に強い力で俺を引いた。

 勢いのまま、俺は隣の座席に無理やり座らせられる。

 ドアが閉まり、電車が動き出す。

「え? あの?」

 戸惑った俺の声に、瞳を潤ませた美沙が妖艶な笑みを返した。

「あなた、ですよね?」

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