二人の幼馴染みとドロドロになるまでやりまくった件 (Page 8)
ちょっと話が急展開過ぎて、頭がついていかない。
そもそも、昨日からの一件自体が現実感がないのだが、それ以上だった。
「まあ~、秀子は自分の気持ちにあんまり気付いてないみたいだから~」
「だね、ちょっとお膳立てが必要かも知れない」
「いやいやいや、お前達それでいいのか?」
オレは焦って問い質す。
すると、勝子も信子も鼻で笑った。
「何言ってんの? 良いからこうして話してるんじゃない」
「そうだよ~、嫌だったら、並んでないって」
「光正だって、秀子のことも好きだろ?」
「ま、まあ……、お前達と同じくらいは好きなはずだ」
「じゃあ、決定。秀子も誘って、光正はみんなのもの大作戦だね~」
何か聞き捨てならない作戦名な気がするが、そこは華麗にスルーした。
その代わり別の疑問を口にする。
「ところで、いつ秀子呼ぶんだ?」
「う~ん、どうしよっか~。あれ、そもそも、光正、ご両親は~?」
「ああ、出張で月曜まで帰ってこないぞ。流石に親が帰ってくるのに、朝までやってたら気まずいだろ……」
「ふーん、初めからそのつもりだったんじゃん……」
信子がジト目をしてくるが気にしないことにする。
勝子はちょっと考え込むようにしてからオレの方を向いた。
「今日が土曜だから、……そうだね~。うん。明日、光正は秀子とデートしてきて」
「早いな。いきなりかよ」
「こういうのは早い方が良いって~」
「大体、明日集まる約束してたじゃない」
日曜日は買い物で集まる約束をしていたのを思い出したが、そうなると気になることがある。
「確かにそうだったな……。ってお前達は?」
「いかないよ~」
「そうだね、いかない」
明らかに棒読みになった二人の声に、これは後をつけられる奴だと直感する。
オレの想像はあっさりと伝わっていたらしい。
勝子が全て分かっているような表情で笑った。
「まあ~、良いじゃない。だって、最後は私たちがいないと困るんじゃない?」
「あ……、確かにそうだな」
「ちゃんと家を開けときなさいよ」
信子の言葉にオレは未来を想像して思わず頭を抱えそうになる。
「うわっ、これ、またやってるときに混ざる奴だ……」
「ちゃんと最初は二人っきりにさせるから、そこは心配しないで良いよ~」
そもそもそういう心配をしたくなかった。
しかし、今さらの話だとオレは嘆息するしかなかった。
「もう、せっかくこんなに可愛い幼馴染み、しかも三人と付き合えるんだよ~、何でため息吐くのかな?」
「それは嬉しいけどさ、何か良いのかなって思ってさ」
「いいんじゃない? 私たちは光正が好き、光正は私たちが好き、それだけでしょ」
信子の答えは簡潔明瞭だった。
勝子もうんうんと頷いている。
それを見て、オレも割り切らないといけないな。
改めてそう思うのだった。
こうして、オレと幼馴染み達の関係はまた一歩進んでしまうのだった。
(了)
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