義母のなぐさめ (Page 4)
ああ、やはりダメだったと賢太郎は思っていた。
百合を避けてきた理由は自分の気持ちを抑えられなくなりそうだったからだが、会ってしまうとどうしてもその下卑た欲望と向き合わざるを得なくなる。
母親だと思ったことはない。初めて会った時から、抱きたい女だった。
成人し、働き始めても、どんな女性と付き合ってみても、忘れることができない恋焦がれた女性。
どんなに冷静になろうとしても、あんなあられもない姿の百合を見てしまったことは消せない。
夫を失って1年、33歳のまだ若い肉体を持て余す辛さは、精神的な喪失感と同様に強いはずだった。
俺なら、百合さんの心も身体も満たしてあげられるのに。
「何か飲む?お茶でいい?」
台所から百合が声をかけた。
「ありがとう」
賢太郎は答えながら、頭の中を埋め尽くす百合の身体への欲望がもはや止められなくなっていることを感じていた。
百合がお茶を注いだコップを持ってソファーの方へ来る。
百合に気持ちをぶつければ関係は壊れ、これまでの全てが台無しになる。
しかし父もいない今、関係が壊れたから何だというのだろうか。
コップをローテーブルに百合が置いた瞬間、賢太郎は百合の手を掴んだ。
「っ…賢太郎さん?」
百合が咄嗟に引こうとした腕を賢太郎は強く引き返すと、はずみでよろけた百合の身体をぐっと抱きしめた。
「何するの?」
百合は怯え、小さく震えた。
しかしそれに構わず賢太郎は百合をソファーに押し倒した。
「母さん…」
不安げに揺れる瞳を見つめ、賢太郎は噛み付くように百合の唇に口付けた。
レビューを書く