義父の手管 (Page 2)

良い関係を築いていたはずの五郎と美奈子の間に緊張が生まれたのは、弘樹が長期出張して家を開けているからだ。
3ヶ月もの九州への出張が決まった時、美奈子は相当に落ち込んでいた。

それでもそれなりに上手くいっていた生活が一変したのは弘樹が出てから1ヶ月が経ったある日の夜だった。
その日五郎は久しぶりに会う友人と飲んでくると言って出かけていた。
遅くなるかもしれないと美奈子に伝えていたが、結局予定より早く帰ることになった。

玄関のドアを開けた瞬間、リビングの方から苦しそうな女の叫び声が聞こえて五郎は驚いた。
普段の美奈子の声とは全く違ったため、何が起きたのかとリビングに向かった五郎が半開きになったドアの隙間から見たのは、ソファーの上で自慰にふける美奈子のあられもない姿だった。

「んんんっ、はぁ…あぁぁっ、あなた、あなたぁっ」

叫び声のように聞こえたのは、彼女の喘ぎ声だったのだ。
玄関から人が入ってきたことにも気がつかないほど夢中で、振動音を響かせる道具を膣内に挿入していた。

「あぁっ、あぁぁ…いぃっ、いいわ、あなたぁ…っ」

腰をくねらせ、淫らに悶える美奈子をドアの隙間から覗き見ていると、五郎は随分長いこと忘れていた女体への欲望がむくむくと沸き上がってくるのを感じた。

「あぁんっ、いぃ…っ、んぁぁあ、はぁ…あぁっ」

五郎は、亡き妻とはかなり豊かな性生活を送っていた。
生真面目だった妻をイチから徹底的に開発したのが五郎で、息子が生まれても、その息子が自立してもなお週に1度のペースで確実に妻とセックスをしていた。
妻の病が発覚する前までそんな生活をしていたのをすっかり忘れていたが、こうして豊かな女体を目の当たりにすると自分にもまだ「女の身体を味わいたい」という欲望があったことに気づいたのだ。

「いぃ、いっ…あぁ、あなた、あぁっ」

腰をがくがくと震わせ、美奈子が今にも絶頂しようとする瞬間、五郎は大きく音を立ててリビングのドアを開いた。

「美奈子さん」

「ひぃっ…あっ、あ、お義父さん…あ、あ…」

美奈子は、一瞬で大きく狼狽して青ざめた。
五郎はソファーにゆっくり近づきながら、子どもをあやすような口調で語りかけた。

「すまなかったね、美奈子さん…弘樹が寂しい思いをさせて」

「あ、あの、すみませんっ…お義父さん、これは、その…」

対話にならない程度には、美奈子はパニック状態だ。

「そんな道具を使って、リビングで慰めなければならないほど…」

自分の体液を拭うために用意していたバスタオルを震えながら手繰り寄せ、美奈子は近づいてくる義父を慄いた眼差しで見た。

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