人を狂わす青い薔薇の行方 (Page 6)
「……して、ほしいです」
アトリは古賀の股間へと手を伸ばす。対して古賀もアトリの股間へ手を伸ばした。スカートをギリギリまでたくし上げ、古賀は彼女の秘裂を下着越しに触れる。すでに下着はぐっしょりと濡れており、ぴったりと張り付いて淫らな形を露わにしていた。
車内の振動と合わせ、古賀は周囲に悟られない程度に刺激を加えていく。
アトリも手を動かすが、経験を積んだ古賀の手管には遠く及ばない。容易く絶頂の寸前まで上り詰めるが、決してそれ以上は刺激しない。かちかちと歯を鳴らし、アトリは快楽責めに堪えることしかできないのだ。
しかし、それもついに終わりを告げる。
バスは目的地に到着し、二人は降車した。
ふわふわと頼りない足取りのアトリを連れ、古賀は帰り道を歩く。
そして、ついに帰り着き、玄関の扉を閉めたところでアトリは崩れ落ちてしまう。三和土にじんわりと愛液の染みが広がる。
「よく堪えましたね」
古賀は突っ伏してしまいそうなアトリを優しく抱き止めた。
「ご要望にお応えしましょう」
「してほしいです」
「アトリさん。あなたはここまで自分の意志で快楽と向き合いました。あなたを焦がす快楽は、全てあなた自身の体の内から湧くものです。それを忘れないでください」
聞いているのかいないのか。ぼんやりとした表情のアトリを抱え上げ、古賀は立ち上がる。自分に寄りかからせ、古賀は男根を取り出した。脈打ち角度を鋭くしているそれを下着をずらし、アトリへと埋め込む。
ねっとりと愛液に塗れ、男根が肉の中に埋もれていく。
「あっ、ああぁぁぁぁ」
尾を引くような声を上げ、アトリの膣内が蠢く。いやらしい音を立て、愛蜜が膣口から溢れた。前進を続ける古賀の肉棒がついにアトリの最奥を捉える。膣肉が蠢動し、手とも口とも違う刺激で男を悦ばせた。並の男であればそれだけで射精してしまっていただろう。だが、古賀は男根の硬度と角度を増すばかりで射精の気配はない。まだまだ女性を悦ばせられるだけの力を漲らせていた。
力任せではなく、膣壁をじっくりと嬲るように古賀は腰をストロークさせる。
そのたびに愛液がアトリの足を伝って落ち行く。
いつの間にか甘い匂いが充満していた。
二人の放つ香りが混ざり合い、不思議な芳香となっている。
アトリは蜜壺と嗅覚からも脳へと快楽が大量に送られ、処理しきれなくなっていた。ぱちぱち目の前で火花が散り、大きすぎる快感が意識を飛ばそうとしている。
「アトリさん、そろそろ私も出しますよ」
言葉の意味を理解する前に悦楽の波にさらわれ、理性が溺れかけていたアトリは必死になって古賀の首筋に抱き着いた。
「ください、私の中に」
アトリの言葉と時を同じくして古賀は精を放つ準備をする。亀頭がぎゅっと大きさを増して彼女の膣を圧迫した。さらに肉棒が反りを増して、膣肉を抉る。
「出しますよ」
宣言し、古賀はアトリの膣内へと射精した。全身をぶるぶると震わせ、アトリは恍惚とした表情でそれを受け入れる。ゆっくりとアトリの中から男根を引き抜くと、二人の混ざり合った精液が膣から溢れ出た。
微かに体を震わせ、アトリは穏やかな安らいだ顔で目を閉じる。疲労感に任せ、意識を手放したのだ。
そんなアトリをベッドへと運び、古賀は彼女の顔を見つめる。
「私達が強いられた生き方も、所詮は人同士の交わりの形のひとつに過ぎないのです」
古賀は瞑目し、祈るような気持ちで呟いた。
「あなたの道行きに幸多からんことを」
(了)
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