本気の声を聞かせてよ。 (Page 4)
「…わ…わら、ひっ…あぅ…あっ…」
「麻衣…頑張って…」
「『はぅ…!私…っ…も、イっちゃいますぅ…!ああっ、あなたぁ…!!』」
<専務:くっ…ワシも、中に…うっ…!>
「『ダメ、ダメダメ、いやぁ、イくっ…!浮気ちんぽでイっちゃうぅ…!ああんっ…!』」
中出しの断面図の画像が出て、涎を垂らしたOLの恍惚の表情がアップになった後、ゆっくり画面が暗くなった。
「…お…終わり…?」
「うん。…俺たちも、お終いにする?」
「あ、ぅ…っ…」
濡れた舌に耳朶を舐められ、背中がぞくぞく震える。
「…止める気…ないくせに…ぁっ…あ、んん…」
「麻衣が嫌なら止めるよ」
「んっ…!」
春樹兄ちゃんは両側から胸を寄せ、ねちっこく乳首を弄ぶ。
「はぁっ…そこ…しつこぃ…やぁ…」
「こんなに尖らせて、可愛いなぁ」
「…ぁあ…っ…ふぅ…」
高校時代に付き合っていた同級生の、ガツガツした愛撫とは違う、じれったくて意地悪な触り方。
そのうち動いてくれないのがもどかしくなって、私は胸を弄る春樹兄ちゃんの手を握った。
「ハル…にぃ…あ…あ…」
「なに?」
「…ぃ…意地悪…もぅ、嫌いっ…」
「麻衣」
「あ…」
首を伸ばして振り向くと、煙草臭いキスをされた。
ぱちゅっ、ぱちゅっ、と音を立てながら突き上げられ、私の反応を楽しんでいるように、敏感な部分を指が這う。
「あう、あっ、は…ハル…あ、あぁ、あぁぁぅ…!」
「あー、今の声最高…どっかで使えないかな…」
「!馬、鹿ぁっ…やだ、今イってるから…はぁっ、あっ、ぃやぁ…!」
中で一回り大きくなった春樹兄ちゃんのペニスが、容赦なく奥を抉った。
「…ひゃぅ、ん…ぁ…、………っ…!!」
翌朝、煎餅布団の上で目を覚ますと、春樹兄ちゃんはエロ画像を開いたPCの前に真剣な顔をして座っていた。
「…何してるの?」
「んー?やっぱ、ノイズが結構入っちゃったからさ。修正できないところはお前がいるうちに撮り直したくて」
「うわっ…朝イチからそんな仕事させる?ないわー。コーヒー貰っちゃお」
机に置いてあった、すっかり冷えたコーヒーを勝手にすする。
…早起きして作業してたのかな。
コレだって生計を立ててるなら立派な仕事だもんなぁ、と思いながら、少し髭の伸びた横顔を眺めていると、春樹兄ちゃんが小さく笑った。
「怒ってないんだ」
「え?…うん、まぁ…」
春樹兄ちゃんのことは付き合いたいくらい好きだった事もあるし、昨日のエッチは正直言って気持ちよかった。
それでも聞かれると恥ずかしくなって、少し拗ねた素振りをしていると、ゴメンな、と額にキスをされた。
「…で、次回作の予定もあるんだけど」
「えぇ…一応タイトルだけ聞かせて」
「『昼下がりの秘め事~若奥様は使用人の愛玩用ペット~』」
「…人妻モノ好きなの?」
「うん」
「そう…」
私はため息をつきながら、ネタ帳のラフ画をパラパラと捲った。
「…昨日の奴がヒットしたら考える」
(了)
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