H好きの嬢が彼女になりました (Page 3)
最初に彼と会った時は、やたらと筋肉質な疲れたおっさんというくらいの印象だった。
でも今の彩奈は、彼を見るだけで発情するようになってしまった。
彼が目に入るだけで心が湧き立ち、声を聞くだけで頭の芯が痺れ、彼の匂いを嗅ぐだけでお腹の奥がキュンキュンする。
意外とすべすべなあの肌に触れたい。
あの太い指に、触れて欲しくて仕方がない。
あの太い腕で壊れるほど抱き締めて欲しい。
あの逞しいモノを入れて欲しくて仕方がない。
「彩奈」
「は、はい!」
不意に発せられた彼の声に、すべての思考が停止して声が裏返る。
吸い込まれるように黒い瞳をうっとりと見つめていると、彼は困ったような笑顔を作った。
「ごめん。くっついてくれるのは嬉しいけど、身体が拭けなくて」
「あ、ご、ごめんなさい。あっくん、暖かいから」
咄嗟に答えると、お風呂から上がった熱い身体がぎゅっと押し付けられた。
「っ!」
頭の中が真っ白になって、何かが溢れる。
「あ、ホントだ。彩奈、冷たくなってる。早く拭いちゃわないとね!」
「ん、んんん」
彼から引き剥がされた身体がバスタオルで包まれ、その上から彼が改めて抱き締めてきた。
彩奈が思わず漏れた嬌声をグッと飲み込むと、彼の太い指がバスタオルを這い回る。
濡れた身体を拭いてくれているだけだが、厚いバスタオル越しのもどかしい指先の感覚に身体の奥がビリビリと痺れて、彩奈は身体を攀じった。
しかし、彼の指はその反応を楽しむかのように敏感になった肌の上を踊る。
「ん、んんっ、んやあっ!」
「あ、ごめん! 痛かった?」
思わず嬌声をあげると、彼がハッとしたように手を離す。
「え、違ーー」
「あとは自分で、ね。俺は先に失礼するよ」
彼は彩奈の返事を遮るように言うと、そのまま脱衣所を後にした。
残された彩奈は、ブルリと震えた身体を自分で抱き締めた。
毎日誰かに抱かれているのに、彼ほど彩奈を高まらせる男はいない。
初めて会った時に指だけでイカされたせいだけではないだろう。
それくらいのスキルのある男は他にもいた。でも彼は違う。
彼はスキルではない何かで、彼女を何度もイカせたんだ。
だから彩奈は彼のものになりたかった。
大きく吐いた溜め息は思った以上に熱く、太股の付け根から溢れた汁が足首まで濡らしていた。
*****
「はあ……。またやりすぎた」
俺はベッドに横になって溜め息を吐いた。
また、彼女を痛がらせてしまった。
俺は仕事の関係で少し力が強いから、繊細な女の子に触れる時は出来る限り力を抜かないといけないのに。
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