彼女の代わりに (Page 4)
「っ!」
唯が顔を真っ赤にして脚を閉じ、両手で胸を隠した。
鼓動が激しく高鳴り、何も聞こえない。
石鹸だけではない甘い香りが鼻をつき、思考が混濁してくる。
「……お、兄ちゃん?」
「あ、ああ。ごめん。大丈夫か? 悲鳴が聞こえたんだけど」
「す、滑って転んじゃって」
「怪我してないか?」
「……ん。えと……」
唯はモジモジと身体を捩っていたが、不意にハッとしたように立ち上がり、こちらにプリンとしたお尻を向けた。
「見て」
「え?」
「お尻、打ったから、痣、できてるかも」
唯は頬を真っ赤に染め、少しお尻を付き出してわずかに振った。
シミひとつない真っ白なお尻が、照明の光を反射して輝いているようだ。
「……唯、酔ってる?」
「うん。見て、ここ、ムズムズするの」
彼女はわずかに振り向いて手を後ろに回し、お尻に手を当てて脚を開いた。
彼女が誰にも見せたことのないはずの穴が恥ずかしげにきゅっと閉じ、その向こうの花弁がくちゅりと蠢く。
気のせいか、柔肉は少し充血しているように見えた。
「唯、お前……」
「お兄ちゃん、だけだから。私の見ていいの、お兄ちゃん、だけだから」
*****
大きなガラス窓の向こうには、キラキラとした夜景が広がっている。
その夜景に、ベッドに横になった唯と彼女に覆いかぶさる裸の男の姿が重なっていた。
ベッドサイドのランプに照らされて滑らかな肩と鎖骨の窪みが艶めく。
ゆっくりと上下する乳房の頂点にあるピンク色の突起は、物欲しげにツンと上を向いていた。
「ん……」
彼女の黒い瞳がぬるりと潤んで長い睫毛が震え、赤い唇がわずかに開く。
「っ! んふ、んん」
無意識だった。
急激に膨らんだ獣欲に押され、俺は唯の薄い唇に吸い付いてその隙間から舌を差し入れていた。
一瞬目を見開いた彼女だが、俺の舌を確かめるように舌を蠢かせ、チュウチュウと吸いつき始める。
さらさらの肌を指で撫でると、少し擽ったそうに目を細めた。
しかし逃げる素振りはなく、むしろ背中を反らせて弄って欲しい箇所を強調してくる。
「ぷは。……おに、いちゃん」
「唯、俺は兄ちゃんとして最低だな。でも、我慢できない」
「ん」
揺れる瞳が俺の言葉を肯定する。
俺は彼女をぎゅっと抱きしめ、その首筋にちゅっちゅっとキスの雨を降らせた。
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